背徳の紅"第三十六.五話、調査"



アルの部屋─────



「なーんだこれ。いやホントなんだよこれ。」


いや半分はわかるけど、と愚痴りながら、とある危険物を解析する。

それは、さっきまでコメットについていた首輪。

素材、合成比率、あらゆる物質を解析し、錬金術記録魔道具であるマヌグスに記録する。

一応は再現出来る。


とりあえず、いま直ぐに分かったことは、イグニスがコメットの首輪を告白にて破壊した際のアナウンス通り、"感情を抑制する"という効果があった。

それでどんなに辛くても辛そうにしなかったわけだ、と合点が行く。


ただ─────



「この仕組みだよなぁ。」


首輪内部に仕掛けられた針と液体。

大方、薬と注射の役割なのだろうが・・・


「・・・針が太ぇな!!」


液体も多めなんだが針が一般の注射より太め。

痛そう。できればお世話になりたくない。


「・・・こうゆうのって、まぁ余程緊急なんだろうが。」


まるで予想がつかない。

魔術師の中で、錬金術が専門である以上、その薬について調べるには時間が必要になる。

少々もどかしい、多分危ない代物だ。


「よし!私が調べてやろう!趣味で!ついでにイグニス達の為に!」


本人がいたら、恐らく"俺たちがついでかよ"

とツッコミをいただいただろう。

それはさておき、アルは首輪を早速解体し始めた。

主に趣味で。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る