背徳の紅"第十六.五話、無慙"
イグニスが向かう先、それはイグニスの師"ナオタカ"のいる道場。
かつて、両親を失い、碌でもない親族に引き取られたイグニスは、ひたすらに力を欲した。
行き着いた先は、かつて"無慙"と恐れられた剣士"ナオタカ"の道場。
容赦なく、躊躇なく、対象を鏖殺する人智を超えた剣士。
"殺人姫"と呼ばれた怪物を討伐した事を境に、徐々にその活躍は少なくなったが、聞く人によれば、恐ろしいことには変わらないらしく、弟子入りする者がそもそも少なく、そして直ぐにやめてしまうのだとか。
イグニスは直ぐに弟子入りした。
何でもいい、力が欲しかった。
その為ならどれだけ傷ついても良かった。
弟子の中で、イグニスを入れて二人、長い間ナオタカのもとで鍛錬を積んだ。
しかし────
"俺と同じモノに堕ちるのを見過ごすワケにはいかない。"
その一言のもと、破門させられてしまった。
身体強化とある程度の技は授かったから良いが、当時のイグニスにはその意味が分からなかった。
否、恐らく────彼の真意を知る者など、今まで誰も居なかったのかもしれない。
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