巨星の崩壊
大きくなりすぎた、というのが、一番しっくりくる結末だろう。
内部はすでに、腐敗したガスで充満し、あちこちから悪臭が漏れ始めていた。
恐らく外部からの刺激で、小さな穴がいくつも開いていたのだと思われる。
「よく保ったな」
これがまず、私の感想だった。
かつては、小さな星のひとつに過ぎなかったものが。
度重なる調査で、魅力的な資源と、その使い道が発見され、開発が進んだ。
それらに魅了、利用しようと多くの夢追い人たちがそれこそ、一獲千金を狙って次々と、引き寄せられていった。
結果、その星は一時代を築き上げ、栄華を極めていく。
永劫続く繁栄が約束された・・・・・・ように、多くのものは錯覚した。
星を利用とする者たちと同じく。
星もまた、彼らを利用し始めた。
そう、ここから、星とそれに群がる者たちは一蓮托生のごとく。
崩壊への道を、歩み始めるのだった・・・。
「700年シリーズ」 青谷因 @chinamu-aotani
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