アフター・ザ・レジェンドその5、新光皇暦2008年

バルドルシステム解放。バルドルが発光する。

バルドルがユミルに向かって突撃する。ラグナロクの手の部分がユミルを払おうとするが当たらない。


その頃ユミルの世界樹の頂上で大きな花が咲いていた。その中に一機の白いアームヘッドが横たわっていた。

蜜を吸いにきた蝶のようにバルドルはそこへ向かっていった。

「ここが本体なのかな」

操縦席の旬香はバルドルシステムを動かしている雪那に聞いた。

「わからない、でも試してみる価値はありそうね」

「見て」

花の中のユミルがたった。

「ようこそ、俺の世界へ、俺の名はユミルユグドラシル、お嬢さん方決着をつけましょう」


スルトとヘズは巨大な蛇とたたかっていた。

「旬香達が心配ね」

スーが言った。

「俺にいい案がある」


「そのアームヘッドやっかいだな、あらゆる攻撃を無効だと、ふざけやがって」

ユミルが悪態をつく。

「でも、もうネタは割れているぜ、忘れていたか。ここは全部が”俺”なんだぜ」


世界樹の枝の一本ゲイボルグの形をした枝が破片を飛ばす。

「ここら辺だと思うんだがな」


バルドルの姿は消え、破片を飛ばした場所の方にバルドルが姿を現す。

「ホログラムだか屈折率をいじくってんだか知らないがちゃちな手品だぜ、俺をそんなモノで欺けると思っていたのか」

ユミルが自慢げに言う。


「さてそろそろ孫が生まれる頃だぜ」

ユミルがビジョンを出す。世界樹の一部が変形し画面を映し出した。根本の方では先ほどの巨人達がさらに小さな巨人達を吐き出した。

「こいつらは俺と同じように物質組成を変える力を持っている、世界が作り替えられる日もすぐだろう」

ユミルが笑う。

「うれしいだろう、我らトゥ・チェンジ・ザ・ワールドは本懐を遂げられるのだ。旬香ァァアアアア」


「違う」

「違うだと」

旬香の言葉にユミルが問う。

「そう言うモノじゃない」


「世界を変えるってそう言うことじゃない、自分と同じ醜い化け物を作って何が楽しいの」

「醜い、化け物だと!貴様!」

ユミルが激昂する。


ユミルは怒りにまかせバルドルを破壊しようとしたそのときだった。ユミルの注意がほかにいった。大きな蛇が振ってきたのだ。

「ニーズヘグ、根本にいるはずのおまえがなぜそこにいる」

「ハローミー」

蛇の代わりに菊田が答えた。

「スルト、菊田言左右衛門か」

黒いアームヘッドが目の前に立つ。


「ユミル、その言い方は無いじゃない、おまえは俺になりたいんだろ。前みたいに私っていってくれないのか」

スルトが斬りかかりながら言う。

「菊田言左右衛門、なぜここへ」

ユミルは受け止めながら聞く。

「自分のしたことにケリをつけるためさ」

スルトがユミルに受け止められたレーヴァテインを捨て持ち替える。

「世界を変えることは間違っていたと」

ユミルが勝利の剣に斬りかかられる前に聞く。

「俺のこの方法が間違っていただけさ。またやり直すさ」

勝利の剣をでユミルを両断し答える。

「トゥ・チェンジ・ザ・ワールド、世界が変わるそのとき、までがんばってくれ。私よ、私のようにゆがまないでくれよ私よ」

そう言うとユミルは崩れ落ちた。


ユミルの消滅とともに世界樹はひび割れ崩壊していった。

バルドルはスルトを抱えながら世界樹を離れていった。

「ごめんなさい、役に立てなくて」

二人が菊田に謝る。

「もともと原因は俺だった、仕方ないさ」


向こうから三機のアームヘッドがやってくる。セイントメシアだった。サードとフォースとゼロ。

「おじいちゃん達遅いよ」

と雪那は漏らした。


アフター・ザ・レジェンド終わり

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