エクジコウ編エピローグ

ホワイトノートは相手の調和能力をコピーする。相手の調和は...。「俺の能力をわかっているのか?」アキトが言った。「お前こそ、理解しているのか?このままではお前は死ぬぞ」ゴレンはアキトに言った。「メイキング・トゥモローは俺の生命そのものを消費する、理解している。俺はお前を倒し使う」

  


「それで?どうなる?殉死か五百年耐えた結果がそれでは虚しかろう?」ゴレンが言う。「お前の折角の計画を邪魔できるなら安いさ、俺の生命と運命をもてあそんだ。貴様に目にものが見せられる」「俺に勝つつもりか?人間。面白い」ゴレンは笑った。「勝てるだろうな、お前なら。俺はもう空っぽだ」

  


「エクジコウ...」「おい、ゴレン、まさか?」「ホワイトノート、メイキング・トゥモローだ。あの隕石を無効化してやる。それが望みだろう?邪魔物も消えてちょうどいいじゃないか?」「...エクジコウ、貴様?」アキトがいぶかしむ。「もう俺は疲れた...。俺は邪魔されてばかりだった」

  


おそらく、これはハッタリや嘘ではなく本心であろう、ゴレンの精神はエクジコウとなったことで磨耗し悲鳴をあげているのだ。長い放浪を支えた憎悪さえ方向を見失い、彼は自分の計画にすら興味を失った。「メイキング・トゥモロー、俺もやるよ」アキトが言った。「...、俺に恩を売る意味はない」

  


「そうじゃない、俺は俺の願いを込める。お前が何を企んでいるか。分かったものじゃない」アキトが笑った。迫るディバイン・パニュッシュメント!その隕石をリズ大陸を光が包み...。

  


メイキング・トゥモローは神域調和能力だ。因果や運命を無視し望んだ結果のみを残す。隕石が衝突するという事実は消すことができない。だが、その被害を完全に押さえ込み、全生物をクレーターの外へ送り、爆風を消し、粉塵をなくしクレーターという結果だけを残す。リズの金銭的被害は大きい。だが。

  

一人としてディバイン・パニュッシュメントは傷つけることはなかった。隕石湾と呼ばれるようになるクレーターだけがその痕跡を残した。

  


二機のアームヘッドは海中に姿を消した。しかし二人のパイロットはやって来たポーリーが回収した。それから...。


二十年後。「レインディアーズに新メンバーが入るらしい」という報告をニキータから受けた。どうもポーリーからの紹介らしい。なにかいやな予感がする。俺がドーナツをかじりながら待機しているとノック音。長身の女性が入ってきた。

  


「はじめまして、アイリーン・サニーレタスと言います」アイリーン・サニーレタスは俺に近づき、俺にしか聞こえない声でいった。「今度は俺がお邪魔してやるぜ、マキータ。よろしくな」ゴレンは無邪気に笑った。

  


「トンドル侵攻編」終わり、「アームヘッド最終反乱編」に続く。

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