パニッシュメントその13、新光皇暦2008年
...お昼。「おはよう、マキータ」「もう昼ですよ兄さん」筋肉目覚ましで目覚めた村井親子がやっとやって来た。俺は行幸と充分なトレーニングを積み準備万端だ。お昼ご飯を食べたあと、試合が始まった。
太陽を背にして俺のダークサードが立つ。目の前には試合相手。
リアルメシア。真っ赤なアームヘッドはそういう名だ。真の救世主と名付けられた第二のセイントメシアは両手に銃器をもち、体にたいして大きなフェザーを持つ。「ゴングとかはあるのか?」「あ、そうですね、鳴らしますか」誰も考えていなかったらしい。ゴングが鳴ると銃器が火を吹く。片方は地面!
浜辺の砂を巻き上げ視界を奪う。もう片方はこちらを狙う。銃器はアームヘッド本体には効果がないはず?!そう今まではそうだった。だが技術は進歩するのだ!フィジカルライフル、対アームヘッド加速物理弾を発射しアームヘッドの防御フィールドを穿つ!だがそれも牽制に過ぎない!リアルメシアが跳躍!
逆間接のリアルメシアは空中戦に向く。銃器を何度も撃ちながらこちらに近づく。俺はダークサードのマントを機体の上面に向ける。リアルメシアからはこちらが見えない。消えた?と雪那のリアルメシアからは見えたはず、周囲を見回すリアルメシアは俺を完全に見失った。その後に姿を現す。これが調和だ!
俺がダークサードと再契約した新たな調和能力トリックスターは影から影へと瞬間移動する能力。ブレードがリアルメシアの背中を切る、雪那が気付き反応するがダメージはあった。リアルメシアの装甲が裂かれる。リアルメシアはこちらを向きなおす。「やったわね...」「やってやったぜ」「くっ」
リアルメシアの目が黄色く発光する。「まさか、これで終わりだと思ってないでしょうね...」なにかがヤバイ。隣の影へとテレポートだ。再出現したあと、俺のいた場所に裂け目があるのを見た。「小賢しい能力ね、だけど私の能力に敵うかしら?」再びテレポートし、雪那の後ろへ。何かおかしい。
無傷なのだ。傷のダメージが消失している?「ダメージを飛ばす能力...?」「察しがいいのね...。どうする?」リアルメシアがこちらを向いた。続く。
雪那と対峙する俺!調和能力はこちらが与えたダメージを逆に飛ばす能力!弱点を探さねばならない!だが調和能力持ちとの戦いは初めてではない!
「どういう能力なんだ?」「しゃべるわけないじゃない、ダメージを飛ばすのはあってるわよ、それ以上は秘密」頑な!
「俺の能力、トリックスターは空間支配系の調和能力だ、影から影への瞬間移動することができるがあまり遠くの影に移動することはできないし、連続しての移動にはある程度の時間を置く必要がある」「ちょっ...」「俺は言ったぞ?言わないのは卑怯では?乙女じゃなくない?」「くっ」ハッタリだ。
「言う、必要なんかないし...だいたいあんたのいうことが本当かどうかもわかんないし...」「ほら」岩の影から影へ写って見せた。「まあ三十メートルくらいかな、射程距離」「…超感覚系統の...」「ほう?」「おい!」幸太郎だ。「娘に変なことやってるんじゃあない!真面目にやれ」
幸太郎の奴...、確かにそうだ。心理的プレッシャーが使える相手ばかりではない。色々試してみる。ダークサードが剣を構える。混乱の残る雪那に迫る。雪那のリアルメシアはやや遅れて反応、イケる。ここは岩場だ。砂浜を少し進み、大きな岩のある場所についていた。演習用に用意された地形だ。
岩場に隠れるのとテレポートを併用し、場所を悟れなくする。長物の銃と長大な羽により岩場ではリアルメシアは満足に動けない。故に飛ぶしかない。リアルメシアが跳躍!上だ!リアルメシアの死角となる影にワープ、ダークサードも跳ぶ!空をいくリアルメシアの更に上を取った!ダークサードは剣を!
コクピットは狙わない!攻略法は分かっている。瞬殺だ。パイロットのいるコクピットを能力発動以前に破壊しきってしまえばいい。そんなことができるか!ダークサードはリアルメシアの股関節を刺し脚部を不能にする!リアルメシアの目が光る!ダークサードは得物を手放し首を掴む。
リアルメシアの首を曲げ調和ビームを反らす。ダメージは修繕されるがダークサードの剣は刺さったままだ!継続的なダメージ。この能力は連射不能だ。もしくは同じダメージは飛ばせないのか?更にリアルメシアの羽をもぐ!重力によって二機のアームヘッドは地上に落下する!岩場だ!崩れた岩場の下敷き!
砂煙が消えると片翼になったリアルメシア。ダークサードもマントを失い、ジャベリンの投擲機能も麻痺している。ダメージを飛ばさない?「賞味期限の切れたダメージは飛ばせないの...」妙な表現だが意味は分かった。片翼で加速するリアルメシア。「まだ終わりじゃないわ!」熱くなっている...?
ダークサードは吹っ飛ばされ砂浜に落ちる。「おい!もういいだろう!」幸太郎の声、だが俺も熱くなってきたぜ。「雌雄を決してやる」剣は向こうに刺さっていてないが、武器ならある、背中のU字の刃を取る。精神の疲れ...。恐らくお互いにもう調和は使えまい。リアルメシアが着陸後の姿勢制御。
二機のアームヘッドが幾度目かの対峙、じわりと迫る二機。その時だ!水の中から長い触手めいたモノ!ダークサードの足に巻き付き海の中へ引っ張る!
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