パニッシュメントその9、新光皇暦1215年

「ここが、現実だと?確かに過去に実際にあったことだというが」「そうではない、あのとき、君に特異点制御シンギュラリティ・ルーラーを使った時の暴発、あれを奴らは利用した」「おい、もっと説明しろ」「過去の特異点である私と君を守護した未来の特異点のパワーだ」「?」

  


「君も見ただろう。アーリオ・オリオ・ペペロンチーノを」「え、スパゲッティ?」「奴らはそう自称した、過去と未来の属性をもつ永遠の代替特異点オルタナティブ・シンギュラリティ、我々の時代を終わらせに来た」「うん?だから、それは昔の話なんだろ?」「違うんだ、記憶の奥底から侵入し再びこちらへやって来た、あれは実体だ」

  


「どういうことだぜ」「詳しいことを言ってもわからないだろう、我々も見ているだけではすまなくなったということだ」「望むところだ」気づくとブラックシープが代替特異点の手下のアマナ将軍を圧倒していた。白い内臓集合巨人と化した四天将軍は海より戻ったブラックシープの飛び蹴りで四散していた。

  


「あのアームヘッドみたいなのがいれば、例え敵が巨大でも行けるのでは。あいつセイントメシアぐらい強いぜ」「私はアマナ一人にあの依型神徒ヨリガタカノトが苦戦しているのを見た、それにあいつらは単なる末端よいろんな意味でね」「ポーリー、どうすれば、あっ。あいつら分裂した」分裂した個体は浜から離れる。

  


逃げるのか、いや、兵士だ。馬にのった兵士がいる。弱点の火矢を放つ、しかし初めてみる化け物のせいか。外してしまう。一方のブラックシープは...止まっている。何があったのだ。「パトリシアとシリアスの目的は違う。パトリシアはシリアスの歪んだ自殺願望についていけていない、それに…」

  



ブラックシープがまごつく中、どんどん犠牲が出る。「おい、やはりなんとかできないのか?」「今やっている。私はいまちからを失っているし、これはあまりやったことのないことだからだ」一方でロボ・ヒルドールヴは崩れた軍勢を建て直すべく撤退を開始している。「しばらく様子を見ていてくれ」

  


ブラックシープが手をかざすと死んだ兵士たちの体が変身し、黒い巨大な蜘蛛となる。シリアスはこのためにわざと、見殺しにしたのだ。パトリシアがシリアスを叱責する声がブラックシープの中から聞こえる。「シリアス!なんだお嬢さん?なんてことを!?なんてこととは?」二人は体を共有している。

  


そのため、パトリシアは男声と女声で独り言のように口論しているように見えるのだ。代替特異点も謎だが、精神だけの存在シリアスもまた謎の多い存在だ。「雑魚の相手はこいつらに任せる、本望だろう。あなたって化け物ね!そうだ、だから俺は消えねばならない」「雑魚じゃないといっておろう!」

  



四天将軍だ、プリテンダーと舞黒が再び集合しブラックシープの前に立ちはだかったのだ。


ブラックシープは再び内臓集合巨人パスタスポーンと対峙していた。舞黒を武器めいて構え、プリテンダーが突撃をする。二体の巨人がすれ違う。...貫かれたのはプリテンダーだ。ブラックシープは何処かより槍のような武器を取りだし構えていた。プリテンダーと舞黒は再び分裂。

  


...出来ない!大量の蜘蛛のような神徒カノトクリーピーバグが、プリテンダーたちの動きを阻害している。やがて槍から蒸気が溢れる。「ヌウ、これは...」異次元のものをこの世界が拒絶するかのようにプリテンダーたちは蒸発していく。「やはり雑魚だったようだな」

  


「なぜついてきたのだ?」シリアスは白樺に訪ねた。「殿の真意を確かめねばならぬ」「真意、それはわかりきったことだろう」「おぬしに何がわかると言うのだ?」「ふん、それもそうだ」俺とポーリーはなんか不思議な力でついていっている。残る一人の四天将軍そしてアマナが待っている。島か?いや違う。俺は吐きそうになった。グロテスクな内臓集合体の上、二人の男がいた。一人はアマナだ。「よくぞ、ここまできた、少し、待て」もう一人の男をアマナが吹き飛ばした。「仲間ではないのか?」シリアスが問う。「まさに無念よ、ままならぬ」

  


「裏切られたってことか」「そうだ、信頼の出来るものとはなかなかおらぬ、のう白樺よ」「殿!」ブラックシープから白樺が飛び降りる。肉塊島は白樺を柔らかく受け止める。「なにをしにきた?」「分かりませぬ、ただ殿の真意を確かめたく…」アマナは白樺を見つめた。「求めておるのだ・・・」「?」

  


「ワシはのう、白樺。強敵を求めておる。ワシは祖国の統一の為力を手に入れた。だが、いつしかワシの目的はこの力を使うことに変わってしまったのだ」「・・・殿?」「でかしたぞ白樺!よくぞ、ここまでの輩を連れてまいった!」「・・・」「では死ね」アマナの抜き手が白樺を貫いた。「シラカバ!」

  


パトリシアがブラックシープから飛び降りる。「おいバカ、止めろ。・・・」シリアスの制止をパトリシアは意に介さない。「情が移ったのか、愚かな」アマナが呆れると、トドメを刺すべく近づく。その前に立ちはだかったのは、ポーリーだ。「ご先祖様を傷つけるのはそこまでにしてくれないかな」

  

「また貴様か...」アマナはポーリーをにらむ。「マキータ!準備ができたぞ!」これは...?緑の太陽からひかりが降りてきている。ブラックシープはシリアスを再びのせる。ポーリーは白樺を抱え、こちらのひかりの中へ来た。アマナは?肉塊と融合を始めた。

  


「マキータ、やはり、変わっている」ポーリーは白樺を介抱しながら言った。「ここで傷付いたのは白樺ではなく、マリー・ダッカーだった。シリアスはマリーを救った、そういう展開だった」ブラックシープは巨大化したアマナと対峙する。「...だから手を貸してもらえた」ひかりが形を変えた。

  

アマナは巨大化し、白い触手が何本も生えた内臓集合巨人とかした。頭部らしき場所にアマナ!鞭のように触手がブラックシープを襲う、ブラックシープは間一髪シリアスをのせ、動きを取り戻す。ブラックシープの手から刃が飛び出し触手を切断。「いいぞお」

  


アマナが笑う。「素晴らしいぞ、俺はこの力を使って見たかったのだ!」「試してみろ。それで俺が滅せるか」「うぬ?異なこという」アマナは白樺にやったように抜き手をする。イロニーデーモンがそれに反応する。アマナの巨大化した手を切断し抜き手を封じる。「邪魔をするな!」シリアスの声。

  


「シリアス!何を考えている!?」「急に現れて誰だ、貴様は?」「お前の後継者だ」ポーリーが答えた。続く。

  


シリアス、パトリシア、白樺、アマナ、ポーリー、俺。緑のひかりに飲まれて世界が変わった。



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