パニッシュメントその3、新光皇暦2002年
ガッポ村、俺達は放浪の末、こんな辺鄙な場所まで来てしまった。人口約三百の山間の小村。ここがガッポ族の居留地としては最大の場所であり、族長もここにいる。とは言ってもリズや御蓮といった国の田舎と比べても負けかねないのような寂れっぷりであった。しかし…。
俺達は招かれるようにふと気づくとここに来ていた。エクジコウの不吉な宣戦布告から一年がたっていた。「ホッホッホ、何かをお探しかね?」村の長老めいた老人が話しかけてきた。「いえ、まあ、なんというか…」「あなたが村長ですか?」幸太郎が聞く。「ホッホッホ、そんなに偉く見えるかの?」
「ワシはガラクタ・ガッポ、ただの爺じゃよ」と老人は自己紹介した。「ところでこの村にドーナッツはありますか」足りないのだ。もう一ヶ月は食べてないのだ。ドーナツ、ドーナツ…。幸太郎はこの村に存在する占い玉を見に行った。俺はまだ探しものを見つけていない。
俺はガラクタに族長の家へと案内された。「ワシはエライ」ガラクタと比べると尊大さが目立つ老人が挨拶する。「偉いのはわかっております」「違う、ワシの名はエライじゃ!」「エライさん、探しているものがあります。ドーナツです」「おいい?」「無いぞ」しけてやがる。「アームコア」「占いをしてほしいのか、ただじゃしてやらんぞ、カネ」
(あなたなら族長に勝てるはず)ガラクタ老人は言った。(なかなかの臭いじゃゴレンの友よ)臭い...。ああ、足か。そういえばエライ老人のもなかなかのアレだ。まあ幸太郎ので結構慣れたが、ドーナツ無いのか?「カネは今持ち合わせてないの」「なら帰るんじゃな」「まちな」野太い声...
ドサッと誰かが倒れる。「ひいい」エライが失禁する。倒れたのはジャガーだ。「狙われててタイヘンだな」野太い声。「僕はラッキー・ガッポガッポ、占い師だ」野太い声の少女と死体。「こいつは?」「もう死んでいる、片付けておけエライ」「君がやったのか?」「そうだ、僕が始末した」幸太郎は...
度重なる性別の垣根を越える連中との出会いに混乱している。「東に行くといい、お前たちを待っているものがいる。さて本体が来たようだぞ」「ムスタング!」ウエットスーツめいた服にコートを羽織った少女がいた。「まて、話は...」「とっと逃げるんだな、もうお前たちは導かれるのみ」俺は逃げた。
村を出て東に向かうと連絡が入る。村井研究所からだった。ついに俺たちのアームヘッドが完成したのだ。これで逃げるのはもう終わりだ。俺たちの戦いはこれからなのだ。
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