パニッシュメントその2、新光皇暦2001年
いままでのあらすじ、ジャガーとムスタングの襲撃をなんとか振り切ったマキータと幸太郎だったが、特異点やエクジコウといった謎はさらに深まる。とりあえずふたりは危険なリズ連邦内を脱出しアプルーエと向かうことにしたのだがケフィーヤで再び刺客が襲いかかる。
倒し、俺たちは宿にとまることにした。名物のヨーグルトを食べ過ぎた幸太郎は寝ている。「もう食べられないよう...」俺は机の上のハサミを見る。もう俺のなかにスカージはいない。「ろ、ロールキャベツ?」幸太郎が寝言を言うたびに起きたのではないかとハッとする。俺はなにがしたい?復讐では?
ヒレーの復讐はまだ果たされてないのだ。俺はハサミを持つ。「お、おかわりもあるの?うっうれしいな」何度もチャンスはあったのだ。「あおいさん、おっおいしいよー」やけに寝言の多いやつだ。起きているときもこいつは寝言が多かったな。さよならだ。「えーこんどはハンバーグがいいなー」さあ!
そのときだ、幸太郎が跳ね起き、「危ない!」俺を弾き飛ばす。「勘のいいやつね」ジャガーだ。いつの間に後ろに迫っていたのか?「ボーッとしてるんじゃあない、逃げるぞ」宿の窓を蹴破り、下へ。「いてえ、足くじいた」「なにやってんだ!」俺は幸太郎をおぶり走り出した。ドアが開くと血塗れのニキータが入ってきた。「ニキータ!どうした!」「やばいぜ、やつが来た」ブオルルルとやつの車の特徴的な音。俺はニキータをかつぎ、車へと向かう。ここはケフィーヤの郊外の町。何度も俺たちはムスタングをふりきってきた。「ついに本気という算段か」
ジェネラル・リラティビティだ。ただの車ではないこともあって異様な機動性を持つ。このように障害の少ない道ではうまく撒くのも難しい。「あいつを連れてきやがった...」「アイツ?」そのときだ。ジェネラル・リラティビティを突如空中から襲う機体あり!「なにしてんだ?変態野郎!俺も混ぜろ!」
セイントメシアか?いや違うアプルーエデデバリィのヴァムだ。ヴァムはビームマチェットでジェネラル・リラティビティを両断しようとする。しかし、ビームマチェットが切り裂いたのは別のものだ。急にぼろ布をまとったアームヘッドが現れたのだ。「特異点、我が主の邪魔立てをするというなら消す」
「なんだ、あの機体は?」「最初に出てきた方のパイロットなら知っている狂人ロバートだ。何を考えているのかは知らんが、この隙に逃げるぞ」「しかし、もう一機のほう、あれは光学迷彩だぞ。そんなものを搭載した機体は聞いたことがない」俺たちの車はこの隙に逃げようとするがもう一機、金色の手だ!
金色の手が俺たちの車を押し潰そうとする。俺たちは脱出する。すると、炎上するジェネラル・リラティビティから人影が現れた。かなり大きい二メートルはある。「ムスタング...」よくみるとその大男の肩にコートを着た少女がいた。「はじめまして、私はイクザイクスです」
「私はイクザイクス」「ムスタングだぞ」「これは私のアームヘッド、デウスエクスマキナ、そして彼らがサンダークラウドさん」イクザイクスが挨拶をした。「お前がエクジコウか?」「そうだ、私がエクジコウだ。ニキータ・テーリッツ君。さて、そうだな」
イクザイクスがデウスエクスマキナと呼ばれた手だけのアームヘッドの手のひらに乗った。ムスタングも一緒だ。ヴァムへと向かう。「サンダークラウド、そのへんにしておきたまえ。たとえ君でもロバートの相手は辛かろう」「エクジコウ様、しかし」「やめたまえ」「はい...」「いい子だ、さあ」
「さあ、ロバート君も私とムスタングを同時に相手をするかね?セリア君でも呼べばいいのでは?」「ふざけろよてめえ」「ふふ、今日はこの程度にしようか、皆さん」「話が違うぞゴレン!」「ちょうちょを狩るのは次のお楽しみだ、私は挨拶しに着ただけだ、なあマキータ君。君は期待されているようだよ」
期待?「私は九年後、この世界を滅ぼす。楽しみにしてくれたまえ。」「ディバイン・パニッシュメント...」「幸太郎、知っているのか?」「観測では2010年に最接近するっていう隕石の名前だ」「そうだ、せいぜいあがくがいい。その時にまた会おうではないかマキータ、コウタロウ、ニキータ」
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