ミドルフェイズ:シーンEX「猫と石ころと」
白藤ミード:誰も居ないバーカウンター。まだ慣れない椅子に座るという行為。考え事に相応しい場所…それすらも私にはわからない。ただ、ここが落ち着くと言うだけ。
「私は…ミード。それ以上でもそれ以下でもない」
孤独に耐えかね、鳴き声をもらす。それが言葉になっていることには気が付かずに。
結塚晶:「一ついいことを教えてやろう。悩みがあれば相談すべきだ」
白藤ミード:いつからいたのか、背後のテーブル席から晶様が声をかけてきた。ただの猫であった時は別段何も思わなかったが、今はなぜか疎ましく感じる。
「…貴女に最も言われたくない台詞の一つですね」
結塚晶:「…善処する。だが、わかるだろう? 何を言っても皆は逃げたりしない。抱えきれないものは皆でなんとかすればいい…はずだ」
白藤ミード:少し自信なさげに彼女は言う。以前は見られなかった姿に少し苦笑が漏れる。
「ご主人様もいませんし…丁度いいですね。晶様、私は貴女が嫌いです」
結塚晶:「…新鮮だな。初めから悪意を向けられることはあれど、嫌われるのは生まれて初めてだ」
白藤ミード:どこか嬉しそうに彼女は笑う。彼女も私と同じく、まだ"途中"なのだろう。
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