第35話 むちゃくちゃ言うな
さて、今日からまた学校生活が始まるのだが無事に宿題を終えることができ気持ちよく二学期を迎えられた。
もう一度鞄の中見とこ...。忘れたとかしゃれにならないから。
「よう優一。どうだ?お前のことだからギリギリまで宿題溜めて焦ってたとこじゃないか?」
晃德のヤツ新学期早々図星を突いてきやがる...。まぁ隠したってしょうがないから正直にしておくが。
「よく分かったな。ご名答だ。」
「やれやれ。その調子じゃこの先が心配だな。」
「言っとけ。」
さて、始業式とかいう修行を乗り越えてホームルームが始まるのだがここであの話があったことを思いだした。
担任が話を切り出す。
「さて、夏休みも明けたことだし短い時間だがここで劇の演目を決めておこうか。」
夏休みが楽しすぎて忘れかけていたがそういえばそんなことがあったな。
...何も考えてなかったです。
「じゃあ岸田。後は進行よろしく。」
「はい。...それじゃ早速演劇の題を決めるんだが、考えてきたヤツいるか?」
数人が手を挙げている。うちのクラス文化祭に積極的じゃなさ過ぎだろ!え?ここは全員でハーイってやって晃德が「しょーがないな。」ってなる場面じゃないの!?
...ま、かく言う俺もついさっきまで忘れていたんだけどね。
「じゃあ佐々木。」
「ここはオーソドックスにシンデレラとかが良いかと。」
「なるほど。他は...じゃあ溝畑。」
「俺結構ガリバーとか好きだけど。」
――割愛させて。決して書くのが疲れたとかそう言うのじゃないから。決して。
まぁなんやかんやあって結局演目は「桃太郎~カオス~」とか言うどストレート極まりないタイトルと、そのタイトルとは裏腹に物語が尋常じゃないほどひん曲がった演目ができあがった。
どうしてこうなった...。というかこれ本当に練習すんの?
「なぁ、あれどうしてこうなったんだ?」
「さ、さあ?私にもさっぱり...。」
時は変わって下校中。有希乃にあの惨状の原因を聞いてみたがやはり分からない。
「晃德も何かぐたっとしてたし...本当に大丈夫なのだろうか...。」
「面白そうではあるけどちょっと心配だよね...。」
そもそも桃太郎って登場人物そんなに多くないけど脚本とか裏方差し引いても多すぎないか...?まぁそこも含めてカオスなんだろうけど。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます