第26話 超混戦ストライクブラザーズ
朝、俺は真剣な面持ちで晃德に連絡を取る。
『もしもし。おはよう。』
「おはよう。晃德、今日空いてるよな?」
『ほう...。お前、あれをするつもりだな?』
晃德も察したのか突然真剣モードに切り替わる。
「あぁあれだ。今から十分後に開始する。用意しておいてくれ。」
『了解。楽しみだな。また後で。』
と言って通話を切る。
...さぁ、始めようか。
早速ゲーム機の電源をオン。ストブラを起動。
先に部屋を作って待機部屋で少し基礎コンボの確認。
しばらくして晃德が入ってくる。今回はどんなキャラで来るのか。
ちなみに俺の持ちキャラは某シミュレーションRPGに出てくるムチムチ先生、某アクションRPGの未来が見えちゃう系主人公、あと怪盗団の一味。
「今回はガチで行かせてもらうぜ...!」
今回は集中のため通話は無し。終わった後に通話なり連絡なりとることにしている。
お互いに準備オーケー。対戦が始まる。
今回のマッチは俺が未来が見えちゃう系主人公、晃德が忍者カエル。
「スピード系か。そう来るならこちらも...!」
やつは何かしらの攻撃が当たると空前に繋げようとする。あとできるだけ掴まれないように行動するように心がける。
早速やつが迫る。それに合わせてこちらもこのキャラ特有の能力変化を使い一定時間スピードをアップ。引きを織り交ぜながらめくるような立ち回りをしていく。
「くっそう。詰めるの上手すぎだろ。」
このキャラは全体的に発生が遅い技が多い。引きながら戦わないとこういう素早いキャラにはフレームで負けてしまう。
なんとか隙を探す。と、そこにでかい隙をさらす横必殺の発生を確認。影が見えるから対処しやすい。ガードで防ぎ横強で反撃。そのまま攻撃力を上げ、畳みかける。
さぁ崖まで追い詰めた。ここからは読み合いだ。
お互いダメージは五分五分。幸いにも先に場外へ出されたのは晃德だ。
撃墜能力を上げて追撃に向かうが空中ジャンプを使われ躱される。
俺も復帰のため空中ジャンプを使う。
「あ...。」
お互いのキャラが密着する。これはまずい。
晃德のキャラが空後を出す。
たとえ同じタイミングで入力したとしても発生タイミングの差で負ける。
さらにまだ能力変化は切れていない。実はこの能力変化にはメリットだけじゃなくデメリットも存在する。
この場合撃墜能力が上がる代わりに攻撃力の低下とこちらも撃墜されやすくなるというデメリットが。
するとあら不思議。先ほどまで追い詰めていたと思えば逆に撃墜されてしまったではありませんか。
その後は交互に撃墜を繰り返し、先に撃墜した晃德が勝ちましたとさ。
めでたしめでたし...じゃねぇよ!
ちなみにこの後も全戦全敗でした。
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