第23話 始動
ある日のホームルーム。担任がある話を切り出す。
「さぁ、来学期にはお前らも楽しみにしている文化祭があるが今学期もそろそろ終わりが近づいてきた。そろそろ出し物を決めておいた方が良いだろうということで何か案があればこの時間にどんどん出してくれ。」
文化祭。それは高校生には欠かせないイベントだ。
教室内がざわつき始める。周りの生徒たちが
「何が良いかなぁ?」
「メイド喫茶一択だろ。」
「お化け屋敷とかやってみたくな~い?」
などなど文化祭談義に花を咲かせていた。
すると担任が
「ここからはクラス委員に主導してもらうが何に決まっても文句なし。全員で協力して取り組むように。それじゃ岸田、頼んだぞ。」
任せられた晃德が前に出る。
あ、言うの忘れてたが晃德はうちのクラスの代表でもある。
「それじゃ、まずはどんな出し物が良いのか候補を並べていくぞ~。」
と晃德が言うや否や、
「お化け屋敷。」
「ケーキ屋!」
「演劇がいい!」
「メイド喫茶!!」
「はぁ!?男子たち何考えてんの!?」
と全員が一度にしゃべり出す。
「お前らな...。まぁいい。とりあえず今のは聞き取ったから他なんかあるか~?一人ずつしゃべれよな。」
え...今の聞き取れたんですか。俺なんか何言ってるのか全然わかんなかったのに。
あ、でもメイド喫茶は聞き取れた。
そんな俺の困惑を
「他のは無さそうだな。じゃあこれで多数決って形で良いかー?」
「「「はーい。」」」
そして晃德主導による多数決の結果、
余談だがうちのクラスは40人。
お化け屋敷:12人
ケーキ屋(模擬店):10人
演劇:18人
メイド喫茶:0人
メイド喫茶が0人なのは...まぁ何かあったと思っといてくれ。
晃德と女子を敵に回すとこうなる...と言うことが分かった。理詰めって怖い。
「じゃあ演劇ってことで。どこかと被ったらまた考え直しになるかもしれないからそこの所は勘弁してくれよな。あ、演目は随時募集中だからなんか案があるならいつでも来てくれて良いぞ。」
こうして文化祭への企画がスタートした。
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