後押し

彦さんとちゃんと向き合ってみると

とても気さくで話していて楽しくて、そして何より一緒にいて落ち着ける人だった。
















ただ1つ、人の心に疎いというか

自分の気持ちを全面に出すことが苦手で

目が笑わない人だった。














彦さんと真面目に向き合うようになって2ヵ月くらいで私は彦さんの事を父に話した。














父は「お前にはジュンの方が合ってる気がするが結婚相手と考えれば上出来だ。」と言ってくれた。














次に母に合わせてみた。














母は私の予想通り一目で彦さんを気に入ってくれた。














けれど、この頃の彦さんには結婚願望はなかった。














彦「この間、近所の人達に結婚の事を聞かれてさ

親父が心配してるとか言うから、欲しければオヤジが貰えって言ったんだ(笑)」














彦「人の顔を見れば嫁だの結婚だのうるさいよ」














そんな事を良く話していた。














私も不思議と結婚は考えてはいたけど

それは彦さんと…という感じではなかった。














『27歳までには子供が欲しい』














そんな思いの方が強かったような気がする。














そんな私達を結婚へと後押ししてくれたのは

彦さんのご両親と2人の子供達だった。

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