最後のGW

純ちゃんの怪我は肋骨、頬背と顎の骨の骨折だった。














とても痛々しかったけど帰って来てくれた事に感謝した。













たかさんは岡さんと交流のあった知人から連絡があったらしく私達を殺さない程度に痛め付けて欲しいと言われていた。













そして私はもう既に純ちゃんの所には居なかったことにしてくれ証拠写真を取り、帰してくれたと聞いた。














純ちゃんは「もう大丈夫だな」と笑っていたが

あちらの世界の人達の人脈と情報収集能力の凄さを知り、とんでもない人達と関わっていた事を痛感した…














純ちゃんの怪我は全治4週間だと言われた。














顔の腫れとアザが落ち着いた頃から純ちゃんは職業安定所に通い3社の面接を受けた。














怪我が治るまでは…そう思っていたのは私だけで

純ちゃんは「休んでたら収入はゼロだから…」と次の職を探し求めていた。














純ちゃんが怪我をしてから1ヶ月ちょっとで

やっと決まった新たな職は寮のある配管業だった。














仕事始めはGW開けから…

この時は確か4月の中頃だったと思う。

純ちゃんの新しい仕事が決まってから直ぐに私達は引っ越しの準備に明け暮れた。














引っ越しの日、私達はトラックをレンタルし

2人で引っ越しを済ませた。














引っ越してからは掃除や荷物の片付けに追われ

アッと言うまに世の中はGWに突入しようとしていた。














純「もえ、明日お姉が来るよ(笑)」














荷物を片付けながら必要な物を書き出していた私に突然、純ちゃんはそう言った。














私「何で?」














不思議に思い私はそう聞いた。














純「もえが心配なのと熊本に来てみたいんだって(笑) もえは親に連絡しないだろうから引っ越したって連絡したらそう言ってた(笑)」













私「そうなの? えっ? 明日?急な話やね(笑)」














純「もえにしたらそうだね(笑)

だから明日は朝から駅に迎えに行くから今日は早目に寝よう(笑)」














私「うん。」













この時、私は何も気付いてなかった…

純ちゃんの想いも姉の思いも…














ただ、ずっとしてなかったのに

この日、純ちゃんは今まで以上に激しく私を抱いた…

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