親友。
私の居た教護院では逃げ出すことを「トンコ」と呼んでいた。
『とんずらをこく』を略して『トンコ』らしい。
始めての私のトンコは全てりみ任せで
あっと言う間の3日で終わった…
が、収穫もあった。
乗せてくれた長距離トラックの運転手さん情報で私達の居る教護院にはもう1本車通りのある道が近くにあることを知った。
そして、教護院の先生達は無線で情報収集や連絡を取っている事もこの時知った。
連絡を取っているのはタクシーや配送業者
そして長距離トラックなどらしく
この情報はトンコするにあたってとても役に立った。
この情報のお礼は勿論身体。
まだ処女だったりみには降りてもらい私が支払った。
ことが終わりトラックから降りると
りみは何故か私に謝ってきた。
私「大したことないから。」
そう言う私に何度も何度も謝るりみが正直羨ましく思えた。
それと同時にこれが友達というものなのか?とも思った。
自分の身体を大切にしているりみは
私の身体まで気遣ってくれていて
りみ「次に捕まえる車は選ぶから。もうあんたにあんな思いはさせないから…」
そう言ってくれた事が何だか嬉しくて恥ずかしかったことを覚えている。
私にはそうすることでしか生きられない
自分の身をある意味守れない時期があった。
この頃の私はそう、自分に言い聞かせたりしながらりみと捕まるまでの3日間逃げながら色々と語り合った。
そんなりみとは今でも親友であり、お互いが何かあれば駆けつける仲だ。
勿論、私の浮気病も知っている。
りみは知っていて何も言わず普通に接してくれている。
りみ「もう、私らおばちゃんなんやし
もえがいいんならいいんやない?(笑)」
私の全てを知っている唯一の理解者。
そんなりみとはもう20年以上の付き合いになる。
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