警察署。
私はフクメンの車内にいた。
両脇には刑事さん。
助手席に元カレも乗っていた。
刑「2日前にお前をみかけたわ。
けど、まさか中学生とは思わんかった。」
右側の優しそうな顔の刑事さんがそんな事を言ってた…
けれど、私は何故見つかったのか
いつから私を保護する話が出ていたのか
何故、元カレはあそこに立っていたのか
そんな事ばかり考えていた。
刑「親御さんにあまり心配かけるんじゃない。」
もう1人の強面の刑事さんがそう言ってきた
私「うるさい。」
刑「そんな口の聞き方が出きるのも今のうちだ。」
強面の刑事さんの空気の変わりように私は口を嗣ぐんだ。
警察署に着くと私達は別々の取調室へ連れていかれた…
私は大人しく刑事さんについていきながら
入り口から取調室までの通路や窓などを確認していた。
『何とかして逃げなきゃ…』
そんな風に思っていた。
取調室のパイプ椅子に座りしばらくすると
大人しそうな女性と年配の男性警察官がやってきた。
女性はおもむろにノートを広げペンを持つ。
男性は私の前に座りゆっくりと手を組み
私の聴取が始まった。
が、この人達をなめていたのもある。
けれど、言葉が訛りすぎていて意味を理解できなかった。
私「は?日本語しゃべってもらえます?(笑)」
そんな感じで私の聴取は進まなかった。
しばらくして男性は大きなため息をつきながら
部屋を出ていった。
私「ねぇ、トイレ行きたいんだけど?」
今しかないと思った私は女性警官にそう言った。
女性「今はだめ。逃げるつもりでしょ?」
私「はぁ?私がそんなに簡単に逃げれるほどここは甘いの?(笑)」
女性「逃げるつもりじゃないのなら子供じゃないんだからもう少し待ちなさい。」
私「いや、待てないから言ったんだけど?
ここでしてもいいけど、掃除してくれる?(笑)」
女性「…。」
女性が黙った瞬間だった。
刑「こらぁ!てめぇ何生意気な事ばかりしてんだ?
ぁあ?いい加減にせーや!」
勢いよく大きな声でそう言いながら強面の刑事さんが部屋へ入ってきて私の座っている椅子を蹴り、机を叩き怒鳴って来た。
刑「おい!こら!お前に言ってんだよ!
聞こえてないフリをかましてんじゃねーぞ!」
今度は私の服を掴み身体を揺さぶってきた。
刑「おい!こら!本当に聞こえないのか?(笑)
子供だと思って下手に出りゃ大きく出やがって!
俺はさっきの警察官みたいに優しかねーぞ!」
耳元で大きな声で怒鳴られ私は正面の一点を見つめながらこう言った。
私「うるさい。女、子供だと思ってナメんな。
大きな声で怒鳴ればビビるとでも思ってんの?」
刑「しゃべれるじゃん(笑)
始めからそうしてりゃいいもんを。」
そう、私は平静を必死に装いながらも
大人の男の人に怒鳴られ、怖くて刑事さんの思うツボとなった。
私が会話してしまった事で私の聴取は
始めの中年警察官が取った。
何故、九州まで来たのか
所持金はどうやって工面したのか
道中、もしくは九州県内で犯罪は犯してないか
など、そんな感じのものだった。
私の聴取が終わったのは外が暗くなってからだった。
前日の疲れや寝不足もあったのかも知れないけれど、何時間あの窓もない部屋にこもっていたのか考えられない程、私は疲労していた…
そして私はやっとトイレに行くことができた。
トイレ内には中年の男性警察官と女性警官が付き添ってきた。
私「もう、逃げようなんて考えてないから…」
そう伝えるのがやっとなくらいだったのに信じてもらえなかった事がやけに悲しかった…
トイレから出て1階へ続く階段を降りると
そこに元カレがいた。
女性「彼に感謝しなさい。彼が貴方を救ってくれたのよ。」
そんな感じの事を言われたが元カレと話す気にはなれなかった。
ここから先は本当に疲れていたからか
どこかでホッとしたからなのか分からないけれど記憶があまりない。
ただ、初老の男性が日本刀を手に警察署に入ってきて署内の空気が凍りついた記憶だけはある。
そして、20時過ぎに母と母方の祖父が迎えに来てくれ、元カレの4人で何1つ話すことなく地元へと帰った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます