父のどん底。

父が帰って来なくなってから私達親子は何度、夜中に母の実家に逃げ込んだだろう…









母は寝ている私達をお越し









母「早く!早く!」










と、急かし逃げるように家を後にしていた…










母「おやじがおかしくなった」




母「キチガイだ…」





母「お前らを殺してやるって電話があった」








そんな事を目を擦る私達に母は聞かせていた…










姉はどうだったのかは解らないけれど










私は母の様子からそんなことは信じなかった。










『あのお父さんがそんなこと言うわけない。』










そう思いながら聞いていた。










後々、解ることだけれど










この頃の父は耐え難い出来事からお酒に逃げ









荒れ狂い、博打などに手を出し











生活的にも人間的にも人生最大のどん底を味わっていた。










そんな事を知らない私は

ただ、ひたすら父に会いたかった…。











私の知らない荒れ狂っていた頃の父を救ってくれたのは1人の女性だった。










それは、母でもなく










身内でもなく…










父とその女性はその女性が若い頃から顔見知りで










父のお店に仕事帰りに足を運んできてくれていた女性。










名前は『ちあき』さんと言う小柄な女性…










私がこの頃の父の事を知ることが出来たのは










ちあきさんのお陰だ。

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