母の幸せ。
兄の事があったものの、母はまた直ぐに姉を身籠った。
今度は…
そんな思いからだとは思うけれど
父は家事全般をこなしなが母の身体を労り
母も我が子を守るために安静を心がけていた。
この頃の父の体重は激減した。
朝は仕事前に家事をこなし、バイト前に帰宅し
食事などを準備して電車賃を浮かせるために3駅程走り、夜なべをして産まれてくる姉のおしめを手縫いしていたらしい。
一方、母はひたすら安静にしていたので激太り…
そんな母から産まれてきた姉は4000グラム超えのビックで元気な子供だった。
始めての子供に父の父性が爆発。
休みの日には姉を連れ朝から夕方まで帰らないということも良くあったらしい。
そう。
私が想像するに、この頃が母の幸せのピークのように思えて仕方がない。
経済的にも安定し、子煩悩な父と可愛いと人々に言われるような丸々とした我が子。
そして何より愛され、大切にされているという実感。
現に姉の誕生から私を身籠るまでに母は
当時で数百万程のお金を貯蓄していた。
私を身籠るまでに感じていたであろう母の幸せは
産まれながらにして親不孝の私という存在で
音をたてて崩れていったように思う…
そう思わなければやっていけない事が私の幼少時代には沢山ある。
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