父と母。
私の父の祖父母は田舎ではあるけれど
地元では少しだけ有名な人達。
一代で財をなし、父の幼少期からお手伝いさんは3人。
手広く事業を展開していて住み込みの従業員は5人
そんな環境で父は4人兄弟の次男として育った。
母は商人の4人姉妹の長女。
時代が時代だったからか、蝶よ花よと育てられ
女優にスカウトされる程の美貌の持ち主。
そんな父と母が出会ったのは父が大学4年
母は21歳の頃だった。
父方の祖父が身体の弱い父の兄(克おじさん)を助けるために父にも事業を継ぐようにと勉強のために2人に任せるお店を始め、そこにバイトで母が入ったとこで出会った。
この頃の母から見た父は良いとこのボンボンに写ったらしい。
なに不自由ない生活。
大学生ならが自分の働いているお店を経営している父に興味を持ったらしいが
父はそんな母にはこの時は目もくれなかった。
母「ねえ?お付き合いしている人は居るの?」
母のそんな問いに父は
父「わしは、親が決めた人と結婚するから女性と付き合うとかそんなのは時間の無駄だと思っている。」
そう、冷たく言ったらしい。
この一件で今まで色んな男性にちやほやされていた母は、父の事が気になりはじめ自分を気にもとめない父に対して『落としてみたい』そう思ったと過去に私に話してくれたことがある。
父と母の出会いから数年後
父は大学を卒業し、母を自分の通っていた大学のある地に呼び、同棲を始めることになった。
昔でいう、身分の違いとやらで結婚に反対された父と母は既成事実である子供を望み同棲を始め母は直ぐに産まれて来れなかった兄を身籠った。
父は大学を卒業したとはいえ、社会人1年目。
給料は身籠った母と自分が食べるには足らない状況…
昼は会社で働き、夜は学生の頃にしていたバイトをしながら兄の誕生を心待にしていたが
見知らぬ町での始めての妊娠を1人で1日のほとんどを過ごしていた母は、精神的な心労からか流産してしまった。
そして、この兄の一件で父と母の力関係というものが決まった。
私という人間が形成されていくには
父と母の力関係はとても重要なことのような気がする…
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