上位ランカー4
僕の現在の装備は、
頭→赤龍の兜
体→オルトロンの鎧
武器→
盾→
アクセ→
☆特別装備枠☆
・ランクS【
・ランクS【
・ランクS【
・ランクS【
・ランクA【
・ランクA【
・ランクB【
となっている。
メアの攻略時とは魔法枠を変えており、これが僕の本来の装備だ。
さすがにこの人達を同時に相手取ることは想定していなかったけど、モンスターを同時に何十体と相手にすることもあったし、何より装備を変更している時間はもうない。
「
ファルカナ☆みかんさんから放たれた落雷を僕は横に飛んでかわした。
すぐ続けざまにみょるにるさんの攻撃が飛んでくる。
「
放たれた攻撃を連鎖守護で防ぎつつ、間髪をあけずに呪文を唱えた。
「
僕の持っていた紫色の宝石から勢いよく毒ガスが噴射し、室内に充満するとともに、視界を濁した。
これは僕自身にも毒のダメージが付与されてしまう使い勝手の悪いものだが、多くの敵に囲まれているときに使えば、相手にダメージを与えつつその場から避難できる代物だ。
それに自身の毒は全状態異常回復で治せる。
唯一誤算があったとすれば、普段なら大した影響を受けないはずの毒の効果が、今の僕には致命傷であったことだ。
「がはっ……! ぐっ……全状態異常回復…………身体機能向上……!」
毒状態になってから数秒しか経っていないのに、すぐさま吐血した。
目眩がして、胃の中のものを全て吐きそうになる。
既に治ったが、これは二度目は使えない。
というか使いたくない。
僕はこのまま毒に紛れてファルカナ☆みかんさんがいた方向へと近づいた。
彼女も後方支援のため、早めに叩いておく必要がある。
「
吹き荒れた風によって毒ガスが散ってしまい、僕の姿が露わになる。
さらに他のプレイヤーに掛かっていた毒も解除された。
「ふんっ!」
まっつんさんがナックルグローブで殴りかかってきた。
それを盾で防ぐも、
体勢は崩れていないが、さらに背後からみょるにるさんが迫ってきていた。
「半月斬り!」
「
自身の周囲に鋭い風を発動させ、みょるにるさんを近寄らせない考えだったが、みょるにるさんは左腕を切り落とされながらも臆することなく突っ込んできた。
「肉を切らせて骨を断つ!」
「ああっ!!」
背中を切りつけられた。
鎧のお陰で体までは到達していないようだったが、バットで思い切り殴られたような衝撃が背中に響いた。
僕は痛みを感じるが、みょるにるさん達は違うことを忘れていた。
あの程度の魔法であれば鎧や盾で防がれるのは当たり前のことだった。
くそ……!
痛みを怖がっている僕がどこかにいるみたいだ……!
それに以前と違い、何故だか僕の身体が重い。
まるで沼の中にいるような、体に海藻がまとわりついているかのような動きにくさだ。
似たようなデバフの魔法が無くもないけど、誰かが使用した形跡はない。
何より、全状態異常を使用したのに治らないというのが分からない。
総合して見ても……かなり不利な状況だ。
「終わりにしてあげますよ……
「
「
「
全員による全てA級の魔法攻撃。
これをかわすのは不可能だし、一つでも当たれば致命傷は免れない。
それなら相殺すればいい!
「
向かってくる魔法と全く同じ魔法が繰り出され、それぞれを相殺して消した。
ある意味で僕の奥の手ともいえる魔法だ。
「そうか……あの人にはあれがあったのか」
「同時攻撃は危険というわけね」
「なら詰めて手数で押し切ればいい」
まっつんさんが寄せてきながらナックルグローブによる乱撃を繰り出してきた。
連鎖守護の特性により威力は半減しているが、まともに受け続ければ体勢を崩される。
身体能力向上を再び重ね掛けし、横へと回避しつつ移動した。
重ね掛けすることでようやく普段と同じ動きまで持ってこれたが、このデバフ効果は非常に厄介だ。
どうにかして外したいけど……!
「
ファルカナ☆みかんさんの一撃。
僕はすぐさま斜め前に跳んだ。
すぐ後ろで十字方向に竜巻が発生する。
そのタイミングに合わせてRAVENさんが剣を振りかざしてきていた。
それを同じく効果を失った
「連鎖連撃無双斬り」
「!?
僕とRAVENさんが高速に全く同じ動きで斬り合う。
RAVENさんの代名詞とも言われる鬼の20連撃。
一度だけ使えるS級武器の特性だ。
RAVENさんが大会で準優勝した時、多くの試合で決め技として使われていた。
発動してから5秒の間に20連撃のため、ほとんど見切ることは不可能に近い。
僕が戦った時にも危うく負ける所だったけど、それまでの試合でネタが割れていたおかげで、今回のように
このタイミングで使うということは、確キルを入れにきたわけじゃないはずだ。
狙いは……僕の魔法回数削りか!
「残り1回」
「くっ!
「
同じ風魔法で風切を封じ、なおかつRAVENさんごとまとめて攻撃……!
「っ!」
即席のパーティのはずなのに、それぞれの能力値が高いために意思の疎通がなくとも連携がとれている。
流石の上位ランカー達だ……!
竜巻に襲われている中、再びみょるにるさんが突っ込んできた。
近距離から魔法を放つつもりだろう。
「
あえて僕は、かわすことなくそのまま魔法を受けた。
正面から鎧がザックリと切られ、痛烈な痛みが僕を襲う。
威力が半減しているといってもこの痛み。
A級魔法は伊達じゃない。
「もらった!!」
そのままみょるにるさんが剣を突き立ててくる。
「何だっけ……肉を切らせて……骨を断つ?」
「!?」
僕は突っ込んでくる彼に向けて魔法を放った。
「
小さな火の玉が宝石から放たれ、一直線にみょるにるさんへと向かっていった。
「これはS級──────!!」
火の玉が触れた瞬間、みょるにるさんが爆散した。
ソロ相手に強力な威力を発揮するS級魔法。
メア攻略では使い道がなかったのでセットしていなかったが、僕の持つ宝の中では模倣犯と同じくスタメンを張る宝だ。
「みょるにるさん!」
みょるにるさんはそのまま跡形も無く消え去り、ゲームオーバーとなった。
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