41.遠征に向けて

─41.遠征に向けて─


「うし、んじゃそのまま維持しててくれよー」

「はいよー、ってかこの体制案外キツいな……」


俺達は翌日、学園にM6A2E1を引き渡してからサセン達を回収して戻ってきた

引き渡し時には王国関係者も何名か来ていたが、サラの収納魔術から取り出されたM6A2E1のサイズに圧倒されていたな


多分逃げ遅れた乗組員の遺体とかそのままだから、そこらへん何とかしてから使ってくれとは言ったが、さてさてどうなるかな……


ちなみに俺とベルドは現在インプレッサの破損したリアサスの交換をしている


数年、ウン万キロとか走ってるやつじゃなくて俺が創ったやつだからまだそんなにサビが出てなくて良かったぜ


あ、あとこれは注意なんだが、個人で車持ち上げるときはちゃんと馬(リジットラック)を使うように

車載工具のパンタグラフジャッキを4つ使って上げただけとか絶対辞めろよ?

アレ力加えただけで簡単に倒れるから

実際にそれで車に潰されて死んだ人間とかいるからな


最悪持ち上げた車と地面の間に外したタイヤを入れろ

そうすれば車が落ちてきてもタイヤ分は安全圏を確保できるから


「………よし、上のナット仮止めしたから離していいぞー」

「あいよー、………しかし撃破したM6A2E1を王国に渡すとはな……大丈夫なのか?」

「大丈夫だろ、あれはもう不動車だし、俺も引き渡し前にリンクを解除してる、構造を理解するには最適だろうよ」


ベルドが怪訝な顔をした


「いや、そこなんだが…」

「……どういうことだ」


俺はサスペンション下部をナックルに固定する手を止めた

何か不味かったか……?


「………そもそも王国の連中は

「……………」


………あっれー?おっかしぃなー?渡した記憶がないぞぉー?


俺は冷や汗が止まらなかった


もしかして俺、何かやっちゃいました?

………『やっちゃいました?』じゃねぇよ!完全にやらかしてんじゃん俺の馬鹿野郎!


「せ、戦車には車載工具があってだな……」

「馬鹿かお前は……M6A2E1は試作だろ、実戦配備しないたかが試作に車載工具なんて載ってると思っているのか?あったとしても最低限だろうよ………しかもアメリカ製だ、この世界で普及しているメートル法ではなく、確実にヤード・ポンド法が使われているぞ、そしてこの世界でのヤード・ポンド法普及率はゼロだ。そもそもそんな単位があるという事さえ認知されていない」

「……お、おう…………」


あー!もう完全にやらかしてるじゃん!

メートルで図ろうとして変な数字出てきて脳が完全にバグるパターンのヤツじゃん!


おのれアメリカ!!


「はぁ……まあ戦車なんて例え撃破されてても頑丈&ガチガチ固定なのに代わりはないからな、弾薬庫引火で炎上もしたんだろ?固着もしてるだろうし無理やりやらん限り外れないから怪我もしないだろ」

「そ、そうだよな……」

「まあ、それもこれもただの鉄屑のスクラップをなんの説明もナシに置いてきたお前のせいなんだがな」

「グフッ……」


今回ばかりは俺が全面的に悪いので何も言い返せない……


リカバリー、どうしようか……


「………まあ、そのあたりは私がリカバリーしといてやるよ、ひとり面白いことに手を出そうとしている奴がいたからな」

「そ、そうか………助かる」


ベルド……なんて優しいやつなんだよ…

にしても面白い事をしようとしている奴か……誰だ?


「ほら、さっさと作業に戻るぞ、リアサス交換だけなのに日が暮れちまう」

「そ、そうだな」

「あ、ちなみにサスペンションアームにヒビ入ってたぞ」

「先に言ってくれ……」


そんな会話をしながら俺達はサスペンション交換を終わらせたのであった


途中で工具やパーツを出しながら作業していたから結局終わったのは日暮れギリギリだったがな……


〜〜〜〜〜



「さて、唐突だが欲しい火器はないか?」

「唐突すぎだ馬鹿野郎」


俺は、俺とベルドがリヤサスを交換した翌日、皆が朝食で集まっているタイミングで『欲しい武器はないか?』と聞いてベルドにツッコまれた

竜騎隊の面々は『用事がある』とかいって長門方面に飛んでいった


まあそれはいいとして……


「火器…?あ、銃の事ですか。いろいろありすぎて忘れていましたね」

「同じく」

「あー、イオが来た頃に話してたアレね。確かに私も忘れてたわ」


当時いた3人は理解したみたいだ


「にしてもいきなりですね、どうしたんですか?」


リンが聞いてきた


「ああ、唐突なのは悪かったが、これにはいろいろあってな」

「あ、もしかして今回の亜人連合の件で?」

「美咲、イグザクトリィ」


今回の遠征ではアメリア以外は完全に未知の状態で入ることになる

今現在銃火器を持っているのは俺とリンしかいない

これでは何かあったときに対処しきれない場合が出てくる可能性がある

そこで突貫ではあるが個人個人での戦力の強化を図ろうというわけだ


「にしても『欲しい銃はあるか?』と言われても、そもそもどんなのがあるのか私達わからないんだけど」


アメリアが言った

これには皆頷いている


「たしかにな、俺達の世界では色んな国が色んな銃を作っていたから正直俺も全部を把握しきれていないしな、一部は国家機密でそもそも出回ってないのもあるかもしれないしな」


「だから今回は俺が銃を選んで渡す。運用上何か要望があればその都度言ってくれるとありがたい」

「なるほどね、でも私達は銃というものさえほとんど知らない状態なの、まずどんなのがあるかざっくりでいいから教えてほしいわ」


「わかった、んじゃそこから話すか」



〜〜〜〜〜


「んじゃ、まず銃について知らない人も何人かいるからそこから説明するぞ」


「銃とは火薬や気体圧力を用いて弾丸を高速で飛ばす道具の総称だ。ようは小型の大砲だな」

「ちなみにそっちの世界での大砲との境界線はなんですか?」

「こっちでの差はぶっちゃけ言うと『口径サイズ』だけだ。国ごとに違うっぽいが、俺の国では20mm以上を砲と呼んでいた」


旧陸軍は11mm以上、旧海軍は40mm以上を砲と呼んでいたらしいがな


「話を戻すが、銃にも種類があることは多分わかっていると思う、リンのファイブセブンや俺のAR-15は似ても似つかないからな」


「用途毎に別れているってこと?」

「そういうことだ。今回は各銃種の用途について説明していくぞ」


「まず種類だが、ざっくり分けると『ハンドガン』、『ライフル』、『スナイパーライフル』、『アンチマテリアルライフル』、『ショットガン』、『マシンガン』の6種くらいかな」


細分化するともっとあるがな

グレードランチャーも40mmを超えたりするが例外的に銃に分類されている


「『ライフル』って単語が3つほど出てきたんだけど……」

「こればっかりはしょうがない、3つとも使用用途が違うからな、そもそもライフルってのも銃身内の螺旋状の溝の事だしな」


「じゃあまずは『ハンドガン』から?」

「ああ、こいつは『拳銃』とも言われる片手で取り回しできる小型の銃の事をいう。携帯性、秘匿性に優れているから主に護身用だな。リンのファイブセブンや俺のUSPがそうだな」


「護身用って事は威力も低めってことですか?」

「お、鋭いな。拳銃の定義は『片手で扱える小型銃』だから反動を抑える為に一部を除いて低威力だし射程も短いぞ」


50口径(12.7mm)を扱うキチガイ共については話さないでおく

ハンドガンに一体何を求めているのか



「次は『ライフル』?」

「ああ、ライフルは『小銃』とも言われるライフリングを持ち歩兵一個人が携行できて両手持ちで立射できる一般的な銃の事をいうぞ。俺のAR-15がこれに該当するな」


ちなみに日本での小銃の定義にライフリングの有無は含まれていない

この辺に関しては江戸時代まで遡ったりするので割愛するぞ


「そういえば私の学校にいた人が『アサルトライフル』とか言ってた事があるんだけど、それとは違うの?」

「銃好きがいたのか美咲の学校……まあ、アサルトライフルはライフルを細分化した内の1つだな」


アサルトライフルは自動小銃の内、実用的な全自動射撃能力を有する物のことをいう


更に言うと自動小銃は手動式だったボルトアクションライフルを自動装填化させた物だ

代表的なのがM1ガーランドだな


「基本的には皆にはこの辺のアサルトライフルを装備してもらおうと思っている」

「それはどうして?」

「全銃種の中で一番汎用的に扱えるからだ。あらゆる場面での戦闘を想定した場合、臨機応変に対応できるのがアサルトライフルになる」


ハンドガンでは携行性は優れているが威力、射程距離に欠け、スナイパーライフルとアンチマテリアルライフルはそもそも遠距離専用で近距離には不利、マシンガンは狭いところでは取り回しがキツいし、ショットガンは近距離特化だ

ライフルは威力、射程距離共にハンドガンとスナイパーライフルの中間くらいで一番バランスが取れているしどんな場所だろうとだいたいなんとかなる


軍で一般兵が標準装備にしているのもこの辺りが大きい


「次は……『スナイパーライフル』でしたっけ?」

「そうだな、ぶっちゃけ『アンチマテリアルライフル』も同じようなものだし、まとめて説明するか」


「スナイパーライフルとアンチマテリアルライフルはどっちも遠距離専用の銃種だ。射程距離は概ね700~1200mくらいかな。俺のSR-25がそれに該当するな」

「狙撃専用って訳ですね、でもそんな距離の相手なんて見えないとおもうんですが、どう狙ってるんですか?」

「そこは科学の力だ、スナイパーライフルの大半なこんな感じのスコープってのを使っている。ちょっとこれで外見てみろ」


俺はSR-25からスコープを外してイオに渡した


「……嘘、あんな遠くの物が大きく見える……」

「これがスコープってヤツだ、双眼鏡……がこの世界にあるかはわからんが、遠くの物を見るための道具だ。それに何か見えないか?」

「何か線みたいのが見えますね、これは?」

「簡単に言うとその中心に向かって自分の撃った弾丸が飛んでいく仕組みになっている、ブレさえしなければな」

「そういえばあのISU-152だっけ?にもあったわね。無我夢中で全く気にしていなかったけど、あれは狙いやすかったわ」

「確かにIS-2にもありましたね」


アメリアとミランはそういえば戦車で見ているのか

そもそもそれも何も説明していなかったのを思い出して、よくM6A2E1に勝てたな……と今更になって震えるぜ……


「あ、それで『アンチマテリアルライフル』というのは?」

「語感からして確実にヤバいのはわかるわ」

「基本的にはスナイパーライフルだ、ただ威力が桁違いだがな」

「アンチマテリアル……直訳すると『対兵器』って事?」

「そういうことだ、アンチマテリアル……対物ライフルは戦車や装甲車の比較的装甲が薄い部分を高威力の弾丸でぶち抜く為に作られた銃種だ」

「戦車の薄い部分?」

「ああ、端的に言うと除き窓とかを精密狙撃で貫通させてなお且つ内部の乗員に確実に被害をもたらす為に作られた」


「うわぁ……つまりそれくらいしか生身の兵士で戦車を止めるすべは無かったって事?」

「最初期はな。ちなみに威力も装甲をぶち抜く為にアホみたいに強くてな、生身でこいつの銃弾を食らった敵兵士の上半身が消し飛んだとかって話もある」


これには皆震えていた

皆なんだかんだ戦車には乗ってるし、それで戦場にも出たからな

相手がそんな物を持ち出していたらこの中の誰かが死んでいてもおかしくはないと言っているようなモノだからな


「……え、というか前の戦いで永一さんが戦車の上から銃を使ってましたけど、あれもかなり凄まじい光景を生み出していたと思うんですけど」


「……鋭いな」


俺は先の戦闘のときにIS-2に備え付けられていたDShK38を使って牽制射撃を行っていた

アレは重機関銃…マシンガンに該当するが、それに使われている銃弾は12.7×108mm弾、要は対物ライフル弾だ

当たりどころが悪くて肩から先が吹き飛んでいた兵士や文字通り消し飛んだ兵士もいた

あんな鎧ではコイツの威力を防ぎきる事はできないからな


「まあ、アレは重機関銃…マシンガンに該当する、ついでにこのまま説明するぞ」


「マシンガンは連射を目的とした銃種だ、IS-2に搭載されているDP28とDShK38が該当するな。バカみたいな威力の弾丸をバカみたいな速さでばら撒く代物だ。敵が大量に密集してたりすると楽に殲滅できる。このことについては先のの戦闘でミランはわかっているんじゃないか?」

「確かに連射性はすごかった、反動も凄くて半分くらい当たってる気がしなかったけど」

「まあ、マシンガンはそんなもんよ。んでこのマシンガンも細分化するといくつかに別れてな、『重機関銃』『軽機関銃』『汎用機関銃』『短機関銃』に別れる。DShK38は重機関銃、DP28は軽機関銃に分類されるな」

「違いは?やっぱり口径?」

「だいたいそれで問題ない。正確には14.5mm~12.7mmの弾薬を扱い運搬に2~3人必要なのが重機関銃、重機関銃を軽量化させて1人でも扱えるようにして、陣地転換させやすくしたのが軽機関銃、用途に応じて重機関銃、軽機関銃の両方の運用が可能な物が汎用機関銃、射程威力共に拳銃クラスだが拳銃弾を用いて取り回しに特化させたものが短機関銃……とこんな感じだ。こんな分け方をしているが弾薬をばら撒くってのは全部一緒だ。基本的に瞬間火力特化と考えてくれていい」


みんなの知っているガトリングガンとかもこの辺りに分類されるぞ


「重くて取り回しにくくて火力が高い、となると陣地防衛の時に向いてそうね」

「そうだな、歩兵が扱う場合は防衛向きだろうな」

「でも戦車に搭載していましたよね……」

「ほんと戦車って移動要塞よね……」



「最後はショットガンってやつ?」

「ショットガンってもしかしてターミ○ーターでバイクに乗りながら撃ってたアレ?」


美咲さんよ、際どいワードを出すのはやめような?

間違ってないけどさ


「ショットガンはライフリングを持たず、短射程だが大口径で高威力、さらに様々な弾種を扱うことのできる銃だ」

「つまり近距離特化って事?」

「そういう事。元々は散弾っていう射撃時に細かな金属片を数百も飛び散らせるくっそエグい弾を扱っていたんだが、同サイズのカードリッジを利用して様々な弾体を撃ち出せるようになったんだ」


散弾ではなく単発弾のスラッグ弾や非殺傷用のゴム弾など様々だ

ショットガンは猟銃とかにも使われているので、狩猟用のカードリッジも存在する


「でもその散弾?ってエグいっていうけどどんなものなの?飛び散らせるだけ?」


アメリアが聞いてきた


「簡単に言うと目に見えないレベルの速度に加速した数百もの鋭い金属片が全身のいたる所にほぼ同時に突き刺さる……と思ってくれればいいぞ」


弾丸一発が身体の一箇所を貫通するより確実にヤバい痛みを伴うだろうよ

モロに食らったら下手しなくても大量出血とか諸々でショック死するぞ

流石にこれにはアメリアも顔を青くした


「うん……なんかあんたの世界には『慈悲』という言葉が無い気がしてきたわ」

「なんと失礼な」


生物兵器使ってないだけ人道的だろうよ

………いや、そもそも人間同士で戦争なんかしてる時点で慈悲もなにも無いのかもな……



「まあ、各銃種についてはざっとだがこんな感じだ、細かいのについてはその都度説明していく」



〜〜〜〜〜


「……んで、肝心の銃なんだが………みんなどんなのがあるか知らないよな」


俺とベルド以外の全員が頷く


「なので、今回は一時的にアサルトライフルの『SR-16』とハンドガンの『M93R』を皆に配ろうと思う、俺も今回の遠征ではこっちを使う」

「前々から思っていたが、お前はCOLTよりもナイツアーマメント派なのか?」

「否定はしない」


ベレッタM93Rはお馴染みM92をベースに作られた対テロ用のマシンピストルだ

マシンピストルの名の通り、コイツは素で3点バースト射撃ができる

使用弾薬も9×19mmパラベラム弾で低反動だから俺が使っている.45ACP弾より扱いやすいしな


んでSR-16はM4カービンライフルのナイツアーマメント社バージョンだ

基本的にはM4A1と何も変わらないが、集弾性能は本家M4より高いと豪語していて、米軍特殊部隊にも配備されているアサルトライフルだ

カービンライフルとは元は騎兵用小銃の事だが、現在は歩兵用小銃よりも小型のライフルの事をいう


なんだかんだ言っても皆銃の扱いは初心者だ、いきなり重くて反動がデカい銃渡してもロクに扱えない未来しか見えないからな


上記2丁は連射ができる為民間に出回ることは無いが、SR-16に関してはフルオート機能を取り除いたSR-15ってのが出回っていたりする

かくいう俺のAR-15もM16からフルオート機能を取り除いた民間向けライフルだしな


「皆の武器が同じなのには何か意味があるんですか?」


リンが聞いてきた


「これに関してはいくつかあるな。まず使用弾薬が統一される。誰かが弾切れになっても誰かがカバーできる利点がある」


さらに言うと弾薬を創る俺の負担が減る

何種類も創らなくていいからな


「次にメンテナンス性だ、皆同じのを使っていれば誰でもメンテナンスできるし、パーツも統一できる。一つ一つメンテナンス方法がバラバラじゃ効率的じゃないからな」


普段はあまりこういう事は言いたくないんだが、今回向かう先はこの中ではアメリアしか知らない人間には未知の場所だ、何が起こるかわからない


向こうの世界では武器がバラバラだとパーツの発注とかもすごい手間になっていただろうしな

こっちの場合、それが全て俺の負担になっている訳だが

つまり、俺の負担軽減だ



「んで今回の移動には戦車は使わない」

「え!?どうしてですか?」


これには皆驚いていた

いや美咲あたりは考えればわかると思うんだかな……


「戦車は流石に遅すぎるのと燃費が悪すぎるし、居住性もなんとも言えん……というか悪いからな」

「そういえば遅い部類って言ってたわね……」

「なので今回はLAVで行こうと思う」

「えるえーぶい?」

「軽装甲車両の略だな、戦車よりかは装甲は薄いが、機動力は段違いだし、乗れる人数も多い」


装甲は基本的には7.62mmまで耐えられるらしいし、航続距離も戦車の数倍だ


対処できなさそうなヤツが現れても最高時速100km/hの足で逃げれば問題ない


まあ、サラの収納魔術でIS-2は持っていくがな


「……けど創れるのか?LAVとなると戦後の物が多いが」


ここでベルドが聞いてきた

確かに今まで対物ライフルさえ創れなかったからな


「そこは問題ない、どうやら先の戦闘でIS-2……というかジーゼルエンジン搭載の装甲車両を乗り回していたのが功を奏したみたいでな、LAV-300が創れるようになった」


シーゼルエンジンと戦車…というか装甲車両をそれなりに扱っていたのと、元々乗用車が現代レベルまで開放されていたからか、ギリギリLAV-300が創れるようになった


でなきゃこんな提案しない


「なるほどな、LAV-300となると全員乗れるし、90mm対戦車砲もあるから重戦車クラスが出てこない限り大丈夫そうだな」

「戦車が出てこないことが望ましいがな…」


こちとら12.7mmでさえ貫通する装甲だ

チハたんでも脅威になる


俺は人数分のSR-16と5.56×45mm NATO弾を創った


「とりあえず皆にはさっき言ったSR-16を渡しておく。出発は4日後だ、それまでに多少扱い方に慣れておいてくれ。…ベルド、頼めるか?」

「やれやれ、仕方ないな……お前はLAV-300のテストか?」

「まあな」


俺はそう言って部屋を出た


俺の能力の都合上、今はSR-16しか渡せていないが、暫くしたらM93Rも渡そうと思う



ベルドならちゃんとした銃の扱い方を教えられるだろう

車両と言っても軽装甲車両は今まで創った事のない部類だ、一応不備がないか確認しなきゃならんしな




この後、大量の弾薬作成にカンヅメ状態になったのはまた別の話

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