13.スナイパーライフル


ー13.スナイパーライフルー



「これから何処に向かうんですか?」


「うーん、とりあえず帝都かな、一度見てみたいってのもあるけど、情報も集まりやすいだろうし」



『ボロスには注意しとけ』とは言われたけど、1度でいいから見てみたい



いざとなったらコレ(銃)もあるし



ちなみに『灰色の塔』なる構造物にも行きたかったんだが、あいにく場所を知ってる人が皆街にいなかったので後回しだ



てか塔ってなんだ、兵器なのか?


伊58が海底に突き刺さった状態のまま召喚されたんか?



ありえそう……



あっ



「あっ、そういえば」


「どうしたんです?」


「ギルドに登録したのはいいけど、肝心の依頼を受けてない………」



いろいろ立て込んでたからなぁ……仕方ないっちゃあ仕方ないか



帝都に行く前にやることが出来たな





「この辺にいい狩場ってある?」







~~~~~




俺は今回『スナイパーライフルが造れるようになったしどうせならカスタムモデルも試して見よう』ということでSR-25 SWSを造った


アメリカを始めイスラエル、オーストラリアで運用されてる狙撃銃だな



「へぇ、これがあなたの世界の武器ですか」


「その一つ、だな。これは遠距離系の武器だな」


「弓矢の超強化版と捉えていいですか?」


「元をたどればそうかもしれん」



俺は話ながらテキパキと作業を進めていく



7.62mm弾は以前からちまちまと造ってたから数はあるんだ



弾薬を造ってわかったことだけど、どうやらこの能力で造れる物の数は一時間に20回らしい


それ以上はとてつもない頭痛が襲ってくる



「こいつの射程距離は約600mって言われている。俺もカタログスペックしか知らないけど、実戦で使うならもう少し射程距離は短いかな」


「いやそれでも充分ですって」



確かに遠距離攻撃=弓or魔法のこの世界ではスナイパーライフルでなくても銃の射程距離はとんでもないものだろう


しかも飛んでくる銃弾が速すぎてほぼ目視が不可能ときたもんだ



「んじゃ晩飯の確保をしますかねぇ」


「私はどうすれば?」


「うーん、周りを警戒しててくれない?結構俺無防備だから」



───俺はこの時、あることを忘れていた




~~~~~



「ごめんなさい」



俺はリンに謝っていた



「今度からちゃんと言ってくださいね!?」


「肝に命じておきます」



そう、俺は『射撃の時、かなり凄い音が出るから耳を押さえててね』と言うのをすっかり忘れていたのだ



まだ7.62mm弾で良かった…… 対物ライフルの12.7mm弾や20mm弾でやらかしてたらどうなっていたことやら



ってかなんでサプレッサーが付いてない


SWSはサプレッサー標準装備だろ




【銃器創造レベルが3になりました】


・一部同時創造できなかったアタッチメントが同時創造できるようになりました




あ、レベル3で同時創造解禁なのね


てか通知遅いよ



「……その武器って今私達が研究している武器の小型版みたいですね」


「研究している武器?」


「私達はあの壁の防衛力強化をするためにある武器を研究していたんです。私達は『大砲』と呼んでいます。他の国では既に試作まで行っている所もあるみたいで」


「大砲ねぇ………」



この世界ではまだ研究段階だって言っていたな



「恐らくあなた達の世界ではもう時代遅れの武器でしょうけど」


「いや、大砲自体はなくなってはいないな。ただ改良されまくって凄いことになったが」



戦艦大和の46cm三連装砲やドイツの80cm列車砲、それに戦車の主砲も立派な『大砲』に分類されるだろう



「あまり詳しくは話せないが、最近は砲弾を強化したりサイズを小さくして速射性能を上げる傾向になってるかな」



おかげで通常の装甲板じゃ意味を成さなくなってきた



しかもコンピュータ制御でほぼ外れなくなってきたしな



それと砲口径が小さくなったもう1つの理由だが、『ミサイルの登場』にある



ミサイルが出たことによってそもそも砲の射程距離まで接近することが少なくなった



結果『超射程のミサイルあるからデカイ砲いらないじゃん、小口径の対空砲を主砲にすれば適材適所っしょ』という結論に至った訳である



「へぇ……私達の国もいつかそうなるんですかね?」


「いつか、な。まだ当分先だよ」



「というか……」



リンが聞いてくる



「調味料とかどうしてるんですか……?」


「……いや、このままただ焼いて食ってる」



毎回調味料買い忘れてずっとこのスタイルだ


……ワイルドだろ?



「……帝都でいいお店紹介してあげます…」


「お、おう」



「さ、さあ、明日は帝都を見て回るし、早めに寝るぞ」



『そういえばなんで王国なのに帝都なんだろう?』俺はそんな事を考えながら眠りについた


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