第3話 長い文章 ネコチャンと出産祝い

===1 普通に書く===


 ネコチャンは鼻をプスプス鳴らしながら、突然私のアキレス腱を噛んだ。

「痛い!」

「下僕よ。アキレス腱は突然噛みたくなるものです。礼を言いなさい」

 内心、意味がわからないと思いつつも、私は「ありがとうございます」と言った。

「次は会話文が長い場合を検討しましょう」

 ネコチャンは愛らしい黒い前肢を舐めながら言った。

「下僕よ。そういえば親戚の方の出産祝いはもう決めたのですか? 先日悩んでいたようですが」

「そうですね。女の子の赤ちゃんなので、かわいいベビー服がいいと思っていますが、ネコチャンはどう思われますか?」

 ネコチャンはまた私のアキレス腱に歯を立てた。

「ベビー服は難しいですよ。着られるシーズンを待っていたらサイズアウトしていたなんて、よくある話です。あなたの服のセンスも信用できません。やはり現金が一番ですよ」

「しかし、金額がモロに出てしまうものはちょっと気が進みません。何かいい品物はないものでしょうか?」

「昨今、ググれば大抵のものの価格はわかるというのに……では、バスタオルはどうでしょう? お風呂上がりに赤ちゃんを拭くための、正方形のバスタオルがあるのです。ひし形になるように置いて、赤ちゃんを中心に置き、くるむようにして拭けるので都合がいいのですよ。タオルケットの代わりにも使えます」

「ネコチャンはお詳しいですね……なるほど、ググってみたらいいものはそこそこの価格ですね。速乾性に優れて肌触りが優しいのか……でも地味では?」

「地味でも、着られもしない洋服よりはマシです。赤ちゃんがいる家庭では、バスタオルは消耗品だと聞きますし、実用性に優れていると思います。役に立たないお祝いに、内祝いを返さなければならない人の身になって考えなさい」

 ネコチャンはそう言うなり、みたび私のアキレス腱を噛むのだった。



===2 一行ずつ空ける===


 ネコチャンは鼻をプスプス鳴らしながら、突然私のアキレス腱を噛んだ。


「痛い!」


「下僕よ。アキレス腱は突然噛みたくなるものです。礼を言いなさい」


 内心、意味がわからないと思いつつも、私は「ありがとうございます」と言った。


「次は会話文が長い場合を検討しましょう」


 ネコチャンは愛らしい黒い前肢を舐めながら言った。


「下僕よ。そういえば親戚の方の出産祝いはもう決めたのですか? 先日悩んでいたようですが」


「そうですね。女の子の赤ちゃんなので、かわいいベビー服がいいと思っていますが、ネコチャンはどう思われますか?」


 ネコチャンはまた私のアキレス腱に歯を立てた。


「ベビー服は難しいですよ。着られるシーズンを待っていたらサイズアウトしていたなんて、よくある話です。あなたの服のセンスも信用できません。やはり現金が一番ですよ」


「しかし、金額がモロに出てしまうものはちょっと気が進みません。何かいい品物はないものでしょうか?」


「昨今、ググれば大抵のものの価格はわかるというのに……では、バスタオルはどうでしょう? お風呂上がりに赤ちゃんを拭くための、正方形のバスタオルがあるのです。ひし形になるように置いて、赤ちゃんを中心に置き、くるむようにして拭けるので都合がいいのですよ。タオルケットの代わりにも使えます」


「ネコチャンはお詳しいですね……なるほど、ググってみたらいいものはそこそこの価格ですね。速乾性に優れて肌触りが優しいのか……でも地味では?」


「地味でも、着られもしない洋服よりはマシです。赤ちゃんがいる家庭では、バスタオルは消耗品だと聞きますし、実用性に優れていると思います。役に立たないお祝いに、内祝いを返さなければならない人の身になって考えなさい」


 ネコチャンはそう言うなり、みたび私のアキレス腱を噛むのだった。



===3 会話文だけまとめる===


 ネコチャンは鼻をプスプス鳴らしながら、突然私のアキレス腱を噛んだ。


「痛い!」


「下僕よ。アキレス腱は突然噛みたくなるものです。礼を言いなさい」


 内心、意味がわからないと思いつつも、私は「ありがとうございます」と言った。


「次は会話文が長い場合を検討しましょう」


 ネコチャンは愛らしい黒い前肢を舐めながら言った。


「下僕よ。そういえば親戚の方の出産祝いはもう決めたのですか? 先日悩んでいたようですが」

「そうですね。女の子の赤ちゃんなので、かわいいベビー服がいいと思っていますが、ネコチャンはどう思われますか?」


 ネコチャンはまた私のアキレス腱に歯を立てた。


「ベビー服は難しいですよ。着られるシーズンを待っていたらサイズアウトしていたなんて、よくある話です。あなたの服のセンスも信用できません。やはり現金が一番ですよ」

「しかし、金額がモロに出てしまうものはちょっと気が進みません。何かいい品物はないものでしょうか?」

「昨今、ググれば大抵のものの価格はわかるというのに……では、バスタオルはどうでしょう? お風呂上がりに赤ちゃんを拭くための、正方形のバスタオルがあるのです。ひし形になるように置いて、赤ちゃんを中心に置き、くるむようにして拭けるので都合がいいのですよ。タオルケットの代わりにも使えます」

「ネコチャンはお詳しいですね……なるほど、ググってみたらいいものはそこそこの価格ですね。速乾性に優れて肌触りが優しいのか……でも地味では?」

「地味でも、着られもしない洋服よりはマシです。赤ちゃんがいる家庭では、バスタオルは消耗品だと聞きますし、実用性に優れていると思います。役に立たないお祝いに、内祝いを返さなければならない人の身になって考えなさい」


 ネコチャンはそう言うなり、みたび私のアキレス腱を噛むのだった。


========


 いかがでしたか? 会話文が長くなると、3よりも2の方が見やすいような気がします。同じ話は統一されたルールで書きたいと思っていますが、それを決めるのが難しいですね。


 ちなみにネコチャン(仮名)は、本当に私のアキレス腱をよく噛みます。かわいい顔して立派な牙です。やはり肉食獣です。また、出産祝いに関する意見はネコチャンの私見です。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る