【19話の2】 イルマタル様の妻妾問題

 

「この刃物はこのようになるのか……わかった、取りあえずは同じように柄をつけよう、あと似たような物で、棒手裏剣という物を作ろう」

 なら、最初からそうすればいいじゃないの!

 やはりエヴプラクシヤさんが正しいじゃないの!

 

 チラッとエヴプラクシヤさんを見ると、目が爛々としています、薙刀の模造刀にですよ。

「そうか、これが完成形か、いいな♪」

 まったく、この脳筋が……

 

「ところで代金ですが、いかほどですか?」

 結構安くしてくれましたね。

 

 やっとご帰宅ですが、マトリョーナさんが、エヴプラクシヤさんに何か云っています。

「私は構わない、任せる」

 えっ、なに?

 

「イルマタル様、少し夕食に呼ばれましたので、姉様とご飯を食べていてください、ヴェロニカもマシャも、私についてきてもらいますので」

 マトリョーナさんがそんな事をいって、夕食に出て行きました。

 

「ねえ、エヴプラクシヤさん、何かあったの?」

「帝国、王国、大公国による3者の話し合いとかいっていた、多分先ほどの『玉鋼』の話しではないか?」

 それだけじゃないでしょうね……私を取り巻く女関係の話し合いもあるはずですね……さっそく行動を起こしているのですか……でもエヴプラクシヤさんはなぜハネに?

 

「私はややこしい話しは性に合わない、マトリョーナが適任」

 ……

「そうね、2人でシャワーを浴びてご飯にしましょうか」

 簡単に同意してしまいましたが、失礼でしたかね。

 

 で2人で全裸に、貞操帯も外しましょうね。

 大事なところは念入りに洗い、さっぱりした2人です。

 

 夕食は宅配メニューでパエリアとピザ、2人前とLサイズ、クリームコロッケもね。

 あとはワイン、カジュアルですが赤と白、2本ずつお取り寄せ。

 

 湯上りの2人、そしてほろ酔い、この世界に来て初めて『心静かに』、そしてほわっとした夜を過ごしています。

 

 でも、ムードある夜はここまで、夜の9時あたりにお迎え馬車がやってきました。

 迎えに来たのは、マシャさんと見知らぬ女性の方です。

 

「イルマタル様、エヴプラクシヤ様、皆さまがお待ちです」

「オーレリー様が、関係者の意見が一致したと伝えれば、イルマタル様はお判りになるとのことです」

 やはり女がらみの話をしていたのですか……

 

 連行されるように馬車に押し込められ、着いた先は帝国の事務所、その貴賓室で皆さん、優雅にお座りでした。

「イルマタル様、帝国、王国、大公国、3者の事務的な話は終わっています、本国も追認するのは間違いなしです」

「私オーレリー・トトゥと、ラテラノ王国公爵令嬢ベンヴェヌータ・キアッピーニ、そしてモスク大公国第一公女マトリョーナ・モスクは、イルマタル様の妻妾問題に、互いに協力します」

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