【15話の1】 選択科目は武術にするわ♪

 

 初めてのオスク・スクール……

 クラスというものがやはりありました。

 男女別学ですから女子クラス、私のクラス生徒は16名、5学年は3クラスありますが、入学定員などはないようです。

 

 なんでも今年は特別珍しく、編入が5学年にあり、モスク大公国からの私たち以外に、フラン帝国とラテラノ王国から1人づつあったと聞きました。

 エヴプラクシヤさんとは別クラス、ラテラノ王国からの新しい編入生と、同じクラスになりました。

 

 選択科目は武術、エヴプラクシヤさんが希望し、お願いされて私も武術、だったらとマトリョーナさんも武術、選択科目は全学年合同ですることになっているのです。

 

「貴女が編入生?私はベンヴェヌータ・キアッピーニ、同じ編入生同士、仲良くしてね」

「ご丁寧に、私はイルマタル・ロイスター、フィンの生まれです、こちらこそお願いします」

「あら、フィンのご出身なの、珍しいわね、てっきりモスク大公国のご出身と思ったわ」

「なんせ姫騎士エヴプラクシヤのお相手でしょう?有名ですものね」

 

 ベンヴェヌータ・キアッピーニさん、栗毛色の髪を長く伸ばしています。

 モデルかと思うほどのスタイル、官能的な美女さん、この人、本当に18歳なの?

 そもそも、なぜ同じ特別編入なの、なにか意図がありそうな……

 

「イルマタルさんは、選択科目になにを選ばれるの?」

「武術にしようかと」

「なら私も武術にするわ♪」

 

 そんな話しをしていると、教師がやって来て、『話し合い』の時間となりました。

「新年度でクラス替えもありましたので、まずは各自、自己紹介をしてください」

 皆さん、それなりのご紹介、たしか『卒業面(そつぎょうづら)』の方が多いとききましたが、そんなことはないような……

 でも私とベンヴェヌータさんは別格と思えますね。

 

 『話し合い』で各自の選択科目を決め、次の時間、理科でしたが、植物や虫の説明……小学校程度なのに唖然としました。

 まぁ知らない植物も結構ありましたので、勉強にはなりますね。

 

 この後は国語、国語っていうから、文法でも習うのかと思いましたが、詩作でしたね。

 午後の最初はダンス、ダンスは思ったより簡単で、完璧にできましたよ。

 地球と同じでしたからね、検索の威力です。

 午後の最後は男子も女子も毎日同じ、選択科目となっています。

 

 エヴプラクシヤさんやマトリョーナさんの顔も見えます、全学年女子の合同授業ですからね。

 ベンヴェヌータさんも当然のようにいますね。

 もう1人、エヴプラクシヤさんと親しそうに話している方がおられます、この方も美しい方ですよ。

 黒髪で優しげな目をしています、胸は……ありますね、スレンダーな美少女さんです。

 オーレリー・トトゥとおっしゃるそうです。

 

「オーレリー、こちらがイルマタル様だ」

「エヴプラクシヤ様、知らない仲じゃないでしょう、お互い様はやめましょう」

「そうだな……では、イルマタル……さん……」

「イルマタルでいいですよ、エヴプラクシヤ」

 なにかエヴプラクシヤさんに、スイッチが入ったのでは……

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る