【13話の2】 学園都市のギルドに入りました。

 

「ところで、スクールとかいっていましたが、私たちは5名、寮にでもはいるのですか?」

「寮もありますが、私たちは宿舎からとなります」

「宿舎ですか?」

「大公国の事務所に間借りです」

「事務所ですか?」

 

「大公様が、寮ではよからぬことが起こると、おっしゃいまして……」

「でも事務所なんて、住むのに問題ではありませんか?」

「急な話だったので、宿舎が間に合わなかったのです」

 

「うーん、せっかくの新婚なのに……」

 というと、「イルマタル様!うれしい!」

 エヴプラクシヤさんが、すぐに反応します。

 

「ではこうしましょう、私が小さいですが、キャンピングトレーラーを出しましょう」

 

「キャンピング・トレーラーって、なんですの?」

 

「牽引される移動式の小さい家です、ただ大きなものは簡単には出せないのです」

 

「とにかく、なんとか4人泊まれるものを3台だします、7日たったらもう1台、大きいのを出せますので、それは私とエヴプラクシヤさんに住まわせてくださいね」

 

「シャワーだけですので、湯船として、折り畳み式の簡易浴槽をいれます」

「マシャさんは生活魔法が使えますから、マトリョーナさんとヴェロニカさんの車のお風呂をお願いします」

 

 矢継ぎ早にいいながらも、頭ではキャンピング・トレーラーを探しいてる私です。

 

「お風呂ぐらい、皆さまの分は私がいたします、排水処理やベッドメイキングも、お任せください」

 

「そうそう、これが先でした、どこかに空き地はありますか?」

「大公国の事務所の敷地は、結構広いうえに塀でかこまれています、問題はありません」

「女ばかりですので、事務所との間に壁を急遽つくってもらいます」

 

 トイレも皆さん苦労して済ませ、さあ、そろそろお昼を終わりとしましょうか。

 ところで貞操帯はどうしているのでしょうね……私は四苦八苦してトイレをすましましたが……

 

 そして、やっとオスクの街が見えてきました。

 

 オスクの街はルーシーによく似ています。

 ルーシーが五稜郭なら、こちらは四稜郭となるのですかね、中心にオスク・スクールがあり、東西南北に大通りが走っています。

 ギルド本部は東の大通り、オスク・スクールの隣にあり、帝国と王国、そして大公国の連絡事務所が、西南北の大通りの根元に建っているようです。

 

 私たちのへグランドBV206は、北の門から入ります。

 北の大通りの突きあたりに、モスク大公国の連絡事務所があるのです。

 オスク・スクールも4つの校門があり、私たちは、北門から通学することになるそうです。

 

 3つの国以外の生徒は、東門から入校するそうで、この東門はどの出身者も出入り自由、ギルド本部がチェックしているそうです。

 オスク・スクールの北門の警備は、モスク大公国の責任で警備するそうです。


 大公国の連絡事務所に到着を報告すると、すぐに馬車に乗せられ、ギルド本部に向かいます。

 

「貴女がイルマタル・ロイスター君か?こちらがエヴプラクシヤ・モスク君?姫騎士の御噂はよく聞いている」

「その姫騎士をお妾にしたイルマタル・ロイスター君、うらやましい限りだ」

 そうでしょう、そうでしょう、エヴプラクシヤさんって、綺麗ですからね♪

 

「大公様からのたっての要望なので、特例で編入を許可する」

「ようこそ、オスク・スクールへ、歓迎させていただく、マトリョーナ・モスク君に、スクールの規則を説明してもらってくれ」

 すこし初老で、髪が寂しいこの方は校長のようでした。

 

 この後、ギルドの会員となりました。

 オスク・スクールの生徒は、自動的にギルド会員となるようです。

 

 チラッと垣間見たオスクの街は、学園都市といわれていますが、傭兵さんや商人が行き交い、その方たちを相手にする商店が、軒を連ねる、活気のある街でした。


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