第二章 学園都市

【12話の1】 正式にいただきました。


 昼間というのに、他所様のハレムのど真ん中で、ベッドを軋ませるのなんてね……

 女同士の睦事、ノウハウを検索して……長々としましたね……

 同じ事をしてもらいました。

 女性ってこんなに感じるのですね……

 

 とにかくです、最後にチョットばかりエッチなものを……

 これ、エヴプラクシヤさんにお願いされたのですよ、いや、本当に……やはりどこか男の私はですね。

 最後の最後にね、征服しちゃったのですね……

 

 エヴプラクシヤさんの足なんて、完璧に治っているようです。

 

 もう日が暮れる……

 

 トントンとノックの音、

 今度はヴェロニカさんか入ってきました。

 私たちはベッドでシーツにくるまっています、2人とも裸なのですから……


「お声が途切れたので……」

 ここでシーツをチラッとみて、

「……後始末はお任せください」

 後始末?

 

「はやくお風呂に、イルマタル様、申し訳ありませんが、お湯を張ってください」

 えっ、このまま?

「私に遠慮は無用です」

 で、そのまま浴室へ……


 ヴェロニカさん、歩くエヴプラクシヤさんを見て、泣きそうな顔をしていました。

 今度は一発でお湯を張ります。

 

 もうエヴプラクシヤさんは私の物、隠す事も無いので、旅行用のシャンプーセットを取り出します。

 シャンプー・コンディショナー・ボディソープ・洗顔フォームの4点セットのものです。

 

 突然、空間から物が出たのです。

 SHERPATVで、このあたりの耐性があるはずのエヴプラクシヤさんですが、やはり驚いていますね。

「ねぇエヴプラクシヤさん、もうこんな仲になったことですし、貴女はぺらぺらとは喋らない方ですから、追々、私のことを教えますね」

 

 ここで真顔になったエヴプラクシヤさんが、洗い場に片膝ついて、

「私、エヴプラクシヤ・モスクは、イルマタル様の奴隷として閨に侍る存在、生きるも死ぬもイルマタル様のお心のままです」

「どんなことでも、命じられれば遂行する所存、どうかこの心、この身体をお好きにお使いください」

 などと云ってくれました。

 

「そんな堅苦しいことは、しなくていいですよ、もう離れられない関係ですから」

「もし先頃のように戦うことがあれば、私は貴女を守り抜きます、私の背を預けますので、宜しくお願いします」

 

「イルマタル様!好き!好き!大好き!」

 もう、また小娘モードになる……

 

「とにかくこれで、身体と髪を洗いましょう」

 使い方を教えながら、ゆっくりと入浴、ヴェロニカさんを忘れていました。

 

「イルマタル様、エヴプラクシヤ様、そろそろ出てくれませんか、晩餐会に間に合わなくなります」

 晩餐会?聞いていませんが?

 大判バスタオルをまとい、浴室から出ると、侍女さんがズラリと並んでいました。

 

「エヴプラクシヤ様、初めてだった証拠ですから、大事にとっておく事です」

 と、先ほどのベッドシーツを、ヴェロニカさんが渡しています。

 真っ赤になるエヴプラクシヤさん、私も頬が火照るのです。


 侍女さんの前で渡すのは、どうかと思いますが……

 侍女さんは当然のような顔をしています。

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