【09話の2】 なに、この面倒な日々は!


「取りあえずは、下着に毛の生えたような物でもいいですかね……金属製はどうも……」

 

 某通販カタログに、革製の物とチェーンの物がありました。

 アダルトの通販の物は余りに刺激的、自分が装着するとなると、二の足、三の足……

 

「うーん、どちらにすべきか……」

「イルマタル様は、幾つかお持ちなのですか?」


「チェーンのものと革製のもの……まぁ、そんなに刺激的ではないものですけど……身を守るとはいきませんが……」

「出来ましたら、拝見させてもらえませんか?」

「えっ」

 エヴプラクシヤさん、えらく食いつきます。

 

 取り寄せました……どちらも700円では収まりません、その上、しっかりと空間倉庫のカタログに載りました。

 くそ!ついでですから、他の物も取り寄せて……5種類ほど取り出して品評会です。

 

「私的には、このチェーンのものが一番無難なような……下着の上から装着できますし……」

「では私はこちらの金属の物を」

 エヴプラクシヤさん、装着するの?

 貴女にあげる訳ではないのですが……

 なにか盛大に勘違いしているエヴプラクシヤさんに、私は何もいえませんでした。

 

 結局、5種類全部をお持ち帰りしたエヴプラクシヤさん。

 私がつけようとしたチェーンのものをもう一つ、空間倉庫でコピーして、取り出す羽目になったのです。

 

 この後、初めて魔法を使って、お風呂にお湯を張りました。

 私の場合、お湯が欲しいと思うと、お湯の塊がぷよぷよ空中に浮かぶのです。

 そして『お風呂にはいれ』と思うと、お湯が移動して湯船に入っていきます。


 ちょっと加減を間違え、量が多く出ました。

 さらに熱かったですね、冷めるまでベッドで待ちましたよ。

 水で薄めてもよかったのですが、加減がまだつかめなかったので、仕方なくです。


 タオルと石鹸は置いてありましたが、シャンプーがなかったので取り寄せです。

 明日のことを考えて、トラベルセットを出しましょう、当然歯ブラシ付きですよ。

 

 お風呂に入り、夕食は出してもらえませんでしたので、自分で調達ですね。

 やはり扱いが冷たい、大公様はご立腹なのでしょう。


 面倒なので、コンビニ宅配を利用です。

 夕食はタマゴサンドとハムサンド、ペットボトルの甘めのコーヒーです。

 

 今日は疲れました、この世界に来てまだ2日目というのに、なに、この面倒な日々は!

 あっという間に、巨乳のお妾さんが現れる……どうしてこうなるのよ!


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