【04話の1】 お約束のイベントに出会いました。

 

 急ぐわけでもないので、ディーゼルバイクはのんびりと南に向かいます。

 森はまだまだ深く、出口には一体いつ着くのか……なんとも深い森、ここを行きかうのは大変ですね。

 そろそろお尻が痛くなってきた、ちょっとトイレ休憩でもしますか……

 

 バイクを止めて、周りを見回してと……茂みに入り、もんぺを下ろして……

 これ恥ずかしいですね……男なら立ち小便など平気でしたが、女性になったとたんに羞恥心が……

 いけない、大きいほうも、もよおしてしまった……

 

 確か、お尻と大事な場所は別々に拭く。

 排尿の後は、ティシュを優しく大事な部分に押し当てて10秒だったか……

 排便後は前から後ろ、まったく!でも△●◇からの臭いなんて許容できない!

 

 女性って大変と実感した瞬間です、でも、生理なんてなったらと思うと……憂鬱になってきた。

 

 なんせ聖天様によると、私の場合、はじめはホルモンバランスが悪いので、生理痛がひどいとか……

 『不可侵の加護』といっても、これは体の正常反応、イブプロフェンが入っている鎮痛剤を飲むことになると思われます。

 私が飲めば一発で効くといわれました。

 副作用などは『不可侵の加護』がはねるのですね。

 

 追々、バランスがよくなるので、生理痛も軽くなっていくらしいのですが……

 これって女性ホルモンが出てくるわけで、思考も女性化するの?


 多分、私の考えでは、思考方法など、論理的なところは男のまま、ただ感情は女性的になると思えます。

 公的なところは男、私的なところは女なのでしょうね。

 

 ティシュはシャワートイレ用のトイレットペーパー、インターネットのお勧め品ですが、これロールなのですね。

 とにかく、一巻きラン●ックに入れてありますので、これをもってウロウロしています。

 でも排便後の『物』をどうしますか……恥ずかしいから、猫のように土でもかけておきますか。

 

 しばらく茂みでごそごそしていたのですが、やぶ蚊も寄ってきません、これもいわゆる『不可侵の加護』なるものでしょう。

 

 そういえば時計がありませんね、この世界は1年は13ケ月、1ケ月は28日、ただ最後の月は29日なのです。

 1日は地球と同じ24時間制です。

 

 タブレットPCによれば、今は午後の3時25分、時間を合わせて……

 そろそろ野宿などを考えなくてはね、次に広い場所でも見つかれば、そこで野宿でもしますか。

 

 寝場所を探すために30分ほど走っていますと、森の木々がまばらになってきました。

 ……もうすぐ森を抜けるのか……

 さらに10分ほど走ると林になってきます。


 と、なにか危険を知らせるような、カンといいますか、嫌な感覚にとらわれます。

 かなり前方で何かが起こっている……注意しながら、さらに走ると馬車が見えてきました。

 

 ……お約束のイベントか……どうやら盗賊に襲撃されているようです……

 護衛の男が幾人か倒れており、女性3名がいまだ生き残っているようですね。

 高貴な装いの少女と、30を少し過ぎたような女性が1人、もう1人、若い方は剣を構えていますが、足を怪我しているようですよ。

 これはまずいですね、間違いなしにレイプされそうです。

 

 盗賊は12名、スプリングフィールド・アーモリーM1Aに装填している弾倉は十発。

 とにかく一発必中で倒し、こちらに注意を向けさせなくては……

 あとは銃剣道の練習台になってもらうしかありません。

 

 銃を構え発射、6.5mmクリードモア弾はものの見事に盗賊の頭に命中、銃声でこちらを向いた盗賊の眉間に、次々と6.5mmクリードモア弾が命中していきます。

 こいつら逃げないですね、筋金入りの戦士なのでは……

 まずいですね、プロの剣士相手に、覚えたての銃剣道……

 

 結果的には杞憂でした。

 私の銃剣道、我ながら見事なもので、相手の胸甲をなんなく貫いたのです。

 着剣した刃先に、プラズマ切断をイメージしたのですからね……


 でも、かなり精神的に疲れましたね。

 倒れるほどではなかったのですが、もう少し効率的な方法を考えなくては……

 今日の反省です。

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