【03話の1】 どうでも良い異世界に送られました。

 

 異世界エーリュシオン……

 気がつけば私の周りは鬱蒼とした森、さしずめ黒い森(シュヴァルツヴァルト)という所ですか、そこに囲まれている小さい湖の湖畔に立っていました。

 今は昼前のようで、日差しがまぶしく差し込んでいます。

 

 でもこの服装は何とかなりませんかね、セーラー服、女学生の制服じゃないですか!

 下はもんぺ?一応ダサい定番の柄ではなく、上のセーラー服と同じ紺色、裾を閉じたズボンといえばいいのか……

 大体もう夏服ではないのですか!これは冬服ですよ!

 

 これって戦争中の女学校の制服?

 モンペ式婦人国防服といわれるやつ?

 ソックスは濃紺、靴は黒の革靴、黄色のラン●ックを背負っています。

 京都あたりで使われる通学鞄のラン●ックですよ!ランドセルではないのですよ!なんですか!

 

 空間倉庫のカタログには黄のラン●ックがしっかり載っていました。

 9,828円(税込)、クッション付ベルトの大型とあります。

 いまの私の身に着けているもの全てがカタログ化されています……パンツもですよ……


 いや、これはショーツと呼ぶのでしょうね……おっさんの知識ではパンツなのですけどね……

 でもカタログにはブルマーとありました……戦前の女性用下着をおっさんはつけているようです……

 ブラジャー・シュミーズ・コルセット・ストッキング・ズロース・ブルマー・スリップ……泣けてくる……

 でも、ラン●ックを除いて値段が表示されていせん、つまりこれは初期値、お取り寄せ出来ないもののようです。

 空間倉庫にある以上、無制限にだせるのですが……


 ラン●ックの値段があるということは、色違いはお取り寄せせよ、ということのようです。

 ためしにラン●ックを仮想タブレットPCで検索してみますと、定番以外にもいろいろありました……

 気に入らなければ、自分で取り寄せろということのようです。


 そういえば聖天様との話し合いで、容姿は美しくなると聞いていましたが、転移の初期状態は決めていませんでした。

 とにかく、いまどういう姿なのか確認しなくては……

 

 鏡のような湖面に自分を映して見ると……

 絶世の美少女がいます、あまり女優さんに詳しくないのですが、エリザベス・テーラーの若い頃に……ビビアン・リーにも……

 

 髪は黒、かなり理知的な顔をしています、大きな目で、目力が印象的です、髪はロング、後ろで束ねています。

 

 身長は160センチぐらいでしょうか、スラッとした手足、くびれるところはくびれており、出るところは出ています。

 

 正直、唖然としてしまいます、掛け値無しの美少女、でも近寄りがたい雰囲気も漂わせており、女神といわれるのが納得の容姿です。

 

 ……すこし官能的な表情を……って、どうするの?まあいいか、唇を少し濡らし、開き気味に、そして目は少し眠そうに……

 

 ……我ながら、ぞくっとします、どんな男も一発で落とせますよ、この表情は……封印ですね。

 

 とにかく、こんな所にいるのもね、見渡せば少し向こうに道が見えます。

 その道を行くことしましょう。

 

 道は馬車が通れるほどの幅があり、南北に通っています。

 取りあえず南に行きますか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る