【02話の3】 不可侵の加護は女奴隷にも及ぶ


「そうそう、仮想タブレットPCでの検索についてだが、それにより仕入れた知識や操縦法は完璧に身につく、たとえば料理を検索すれば、その結果、完璧にその料理を作れる、勿論応用も完璧である、たとえば女性の問題を検索すれば対処法がわかる」

 

 これはいいですね、私の駄文三文小説にはなかった設定ですよ。

 

「魔法の事であるが、現地で使用される最高レベル魔法が使えるようになる、その上、物理や化学を理解できれば、イメージするだけで魔法が発動できる、その条件は貴方の精神力にかっている」

 

「つまり提供していただく、仮想タブレットPCで知識を検索し、そのイメージを積み上げれば現象を引き出せる、それは私の精神力に連動する、と考えて良いのでしょうか?」

 

「その通り」

 

 これって不味いのではありませんか、たとえばウラン鉱石を見つけて、仮想タブレットPCで、『原子爆弾のやさしいつくりかた』などを検索し、その知識をイメージすれば核爆弾が出来る……

 

「想像は正しい、ただ核などイメージし、発動しようとすれば相当な精神力が必要となる、今の貴方では無理、というより人類の意思の力では不可能に近い、途中で意識を失う」

 

 良かった、なんとなく安堵した……でも、小物なら……金が作れなくてもダイヤモンドなら……

 

「エーリュシオンに存在するものを使用するなら、魔法を使えば可能であるはず、ダイヤ程度なら、非常に疲れるが不可能ではない、石炭あたりに圧力をかければよい話だ」

 聖天様、私の心をお見通しなのですね。

 

「私の不可侵の加護は、どのようなものなのでしょうか?」

 

「物質的、精神的、霊的に攻撃を受けてもダメージを受けない、貴方は意識しなくてもよい、病気、怪我なども瞬時に治る、つまり骨折しても痛みが来る前に治る、風邪を引いても症状が出る前に治る、ガンなど発症もしない、コレラの蔓延地帯をうろついたとしても大丈夫、というわけだ」

 

 とんでもない話しですね、不老の意味も分りますね、身体の新陳代謝が永遠に維持される訳です。

 

「他人に対して治療はできないのですか?」

 

「重症は無理、手術器具などが必要、簡易的な手術室を用意することは可能かもしれないが、診断装置などは無理があるのではないか?」

 いわれれば、そうですよね……

 

「ただし一つだけ方法を提示しておこう、貴方の同性の眷属、奴隷に対しては、貴方が所有する加護を一時的に使用することが出来る、貴方に永遠の奉仕をする契約をしたならば、加護を分け与えることも出来る」

 

「それって……」

「女奴隷の愛人なら可能ということだ、まぁ使うことはないだろうが覚えておくがいい」

 

「あとひとつ、仮想タブレットPCのデーターを出力することは可能でしょうか?」

「貴方が紙に写せばよい、魔法を使えば可能であろう?」

「いわれればそうですね……」

 

 そのほかかなり詳細な予備知識を与えられ、私はあっという間に異世界へ降り立ったわけです。

 

 最後に聖天様、ニヤッと笑ったような……


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