共存

 気に喰わない後輩と手を組んで、お気に入りの後輩を盗み出した。もちろん一人で掌中の珠として愛で続けていたかったが、どんなに綿密に計画を立てても世の中はそんな都合よく転がってくれない。加えて、愛しの彼女は野を駆ける野生の兎のように奔放な性格をしている。昼夜逆転の生活は健康によくないから、夢と現をひっくり返させてもらった。二人がかりで時間をかけて説き伏せた今は、プレゼントを渡せば半日大人しくしてくれるから助かる。


「今日もいい子だね渚ちゃん」


 タッチペンで触れると音楽を奏でる絵本に夢中になっている小さな頭を撫でた。

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