第46話 晩餐
さぁ、着きました。
「お! いらっしゃい、兄ちゃん! また来てくれたんだね!」
「部屋、空いてますか?」
「えーと……あら、一人増えてるね!」
嫌な予感がする……。
「兄ちゃんも好き者だねぇ!」
はいはい。何とでも言って下さい。
「大きめな部屋が一つ空いてるけど、小さい部屋の方が良いかい?」
どう言う意味だよ!
「小さめの部屋を二つとか……?」
「ごめんね、兄ちゃん。大きめと小さめが一部屋しか空いてないんだよ」
「じゃあ、大きめの方で」
「小さめの方が密着度が増すし安いけど、大きめで良いのかい?」
……安いのは分かるけど、密着度って何だよ!
「大きめの方で! あと朝食を付けて下さい。人数は四人分で」
「お、ありがとね! お代は銀貨一枚と銅貨四枚だね!」
それでも安い気がする。
支払いを終え、夕食をどうするか相談する。
「儂は酒が呑めれば何処でもよいぞ」
「あたいは、お肉が食べたーい!」
「私は……蓮斗さんが居れば何処でも……」
ドキッとしますよ、レティシアさん。
「俺はこの世界の食べ物に疎いから、皆で決めて良いよ」
と言う訳で、三人に決めて貰う事に。
何になるかな?
「蓮斗さん、決まりましたわ!」
「オーケー!」
三人の後を付いて行く。
心做しかヴァージュの様子が……肉じゃ無かったのかな?
「ここですわ!」
店構えが……何か高そうなんですけど……。
「レティシア、このお店……お金大丈夫かな?」
ん? レティシアの顔が固まった……。
「だ、大丈夫ですわっ!」
絶対に嘘だ。
一人幾らだろう。仮に一人一万円位だとして、四人で四万円……銀貨四枚か。金貨一枚も有れば余裕か……あれ? 俺、金持ちじゃん!
「入ろうか!」
俺が急に余裕を見せたせいか、レティシアも安堵の表情で店に入る。
「いらっしゃいませ、何名様で御座いますか?」
「四名で」
「かしこまりました」
何か日本の料亭みたいだ。
と思ったが、個室に案内されるとテーブルと椅子が有り、座布団って事は無かった。
そもそも、部屋の中で靴を脱がないし、当たり前か。
椅子に座って待つ……。
それにしても……ヴァージュが足をブラブラ前後に動かすのが気になる。
「ヴァージュ、足を動かすのをお止めなさい」
「えーなんでー?」
「はしたないですわ」
「蓮斗様、そーなのー?」
「そうだな……」
「はーい」
「何故、蓮斗さんの言う事だけ……」
レティシアがブツブツと愚痴る。
お、女中さんみたいな人が来たようだ。
「いらっしゃいませ。本日はお越し頂き有り難う御座います」
思わず、俺だけ会釈してしまった。日本人だからね。他の皆は、不思議そうに俺を見てたけども。
「本日は、どのコースに致しましょうか?」
メニューを渡されたのだが……相変わらず、さっぱり分からん!
皆が俺を見ている……どう見ても俺が決める空気だ……。
金額で選ぶかな。
レベル1からレベル3まで? それぞれ一人銀貨一枚、二枚、三枚か。
コースにレベルって何だよ……。
無難に2か…………はいはい、見栄ですよ。
「レベル2でお願いします」
「かしこまりました」
はぁ……何か疲れた。
「蓮斗、中々良い選択じゃな」
「私もそう思いますわ」
「肉が入ってるので良かった! ありがと、蓮斗様!」
何か正解だったっぽい!
ん、何か飲み物を持ってきた。
「取り敢えず、かんぱーい!」
一気に飲み干した……ん?
「何か……体が暖まるね……」
「食前酒じゃの」
うお、これお酒かー。意外と美味しいな。
料理は次々と出てくる。サラダ、スープ、細切れのお肉……そして刺身! これが一番驚いた。生魚自体、店に売って無かったから刺身は無いと思ってた。
最後に、甘いお菓子を食べて終了。
「ふう……お腹一杯だ」
皆も大満足の様だった。
お代は……俺が全部払いましたとも。
小金持ちだからね!
「さて、宿に戻るか」
「もう一軒……行かぬのか……?」
クリスちゃんの上目遣い……俺のHPが無くなるよ?
「んじゃ、もう一軒行ったら帰ろ?」
「流石、蓮斗じゃ!」
「仕方が無いですわね」
「やったー!」
主に喜んでいるのは、クリスとヴァージュだな。
この後、泥酔したクリスとヴァージュを、俺とレティシアが宿まで運んで就寝となる。
「蓮斗さん、朝ですわ」
「ん……おはよ」
「お早う御座います、蓮斗さん!」
「残りの二人は……?」
ヴァージュから呻き声が聞こえる。
クリスは……何も喋らないな、二日酔いか?
日課のログインボーナス……。
〔日課特典:スキルゲッター〕
〔スキルゲッターを獲得しました〕
やった! 当たりだ! 速攻!
サイコロは、3の目で止まった。
〔スキル:言語解読を獲得しました〕
ん……何だこりゃ?
〔鑑定に成功しました〕
〔言語解読:あらゆる言語を解読する〕
そのまんま……あ! 回復術の古文書!
これ読めるんじゃ……
〔法力:回復術を獲得しました〕
やった! 何処かで試そっと!
と、不意に腕を見て思い出す。
これ……転移の腕輪だったな。一日一回じゃなければレティシアの時に使えたんだけどな。
さ、久々のステータスチェック。
〔レベル:58〕
〔ギルドレベル:8〕
〔能力値:一部閲覧権限がありません〕
〔H P:2289〕
〔M P: 174〕
〔攻撃力:516〕
〔防御力:436(+25)〕
〔魔 法:なし〕
〔法 力:回復術=LV0〕
〔スキル:知識剣との絆〕
〔スキル:罪悪感緩和〕
〔スキル:パリイ=LV8〕
〔スキル:看破術=LV2〕
〔スキル:鑑定術=LV1〕
〔スキル:縮地術=LV9〕
〔スキル:転生者の記憶〕
〔スキル:経験値上昇〕
〔スキル:転生者の記憶〕
〔スキル:転移者の記憶〕
〔スキル:転移者達の饗宴〕
〔スキル:言語解読〕
〔スキル:弓技、五射必中〕
〔スキル:剣技、廻陣炎舞=LV1〕
〔スキル:剣技、双刃の舞い=LV0〕
〔スキル:剣技、雷迅閃斬=LV0〕
〔熟練度:剣技=LV10〕
〔熟練度:弓技=LV 0〕
スキル増えたなぁ……看破と鑑定は、中々上がらないのは何故?
防御力アップは、手袋と腕輪か?
確認は……これくらいかな。
「よし、そろそろ行くよ?」
「ふぁーい……」
「うむ……」
「だらしないですわね……」
俺達はギルド会館へと向かう。
弓、使ってみようかな?
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