第29話 ようこそ、ターゴフの街へ
ん……冷たい……あ、雨だ!
「戻ってきた……」
隣に寝てたレティシアに声を掛ける。
「レティシア! 起きろ!」
「れ……ん……蓮斗……さ……ん……は、早く……来てください……」
「いい加減に起きるのじゃ! この発情小娘!」
「え! は……はぅ……」
俺は寝惚けているレティシアの手を引き、木の下まで走った。
「発情小娘のせいで、儂まで雨に当たってしまったでは無いか!」
「面目ないですわ……」
……放っておこう。
雨はしとしと降り続く……暇だな。
そうだ、レベルと粗品を確認しよう。
〔レベル:25〕
〔ギルドレベル:5〕
〔能力値:一部閲覧権限がありません〕
〔H P:926〕
〔M P: 64〕
〔攻撃力:236〕
〔防御力:185(+10)〕
〔魔 法:なし〕
〔法 力:なし〕
〔スキル:知識剣との絆〕
〔スキル:罪悪感緩和〕
〔スキル:パリイ=LV6〕
〔スキル:看破術=LV2〕
〔スキル:鑑定術=LV1〕
〔スキル:縮地術=LV5〕
〔熟練度:剣技=LV8〕
おぉ、上がってる! レティシアは……?
〔名前:レティシア 種族:人〕
〔レベル:20〕
〔ギルドレベル:5〕
〔H P:488〕
〔その他:閲覧権限がありません〕
凄い! これは試練の価値有るな!
……クリスは……?
〔看破に失敗しました〕
「だぁー!」
「どうしたのですか?」
「どうせ、儂のステータスを覗こうして失敗したのじゃろ。この助平め」
「う……」
クリスさん、貴女は心が読めるんですか?
ま、まぁ次は粗品っと……。
〔粗品特典:転移者の首飾り〕
〔転移者の首飾りを獲得しました〕
転移者の首飾り? 青く透き通った宝石があしらっており、チェーンの部分は銀色に輝いていた。凄く……綺麗だな。何か嫌な予感がしたので、直ぐ魔袋に詰め込んだ。
「雨……止みませんわね」
空は雨雲が多く、普段より暗い。時間感覚が狂うな……今、何時くらいだろう……?
「今日は、ここで野営しようか?」
「そうですわね」
木の下にテントを設営した。
特にする事もなく、夕食の献立を考えるが……どうしよ?
「今日は何食べよっか?」
「私は蓮斗さんが作る物でしたら何でも」
「儂も何でも良いぞ」
何でも、と言うのが一番困るよね……て、俺が作るの確定!?
「クリスは、料理出来るの?」
「……と、当然じゃ!」
ん? 何か怪しい……。
「じゃあ、クリスが作るとか?」
「……だ、駄目じゃ! 人化の時間が勿体無いじゃろ……?」
確かに……でも本当に作れるのかなぁ?
この後、クリスのリクエストで、うどんを作る羽目になる。
「レティシア、この結界アイテムって何処で手に入るの?」
「これは行商に売って頂いた物ですわ。でも、私とずっと一緒に生活すれば、買う必要は無いですわね」
サラッと凄い事を言いますね……嬉しいけど。
「買うと言えば……街に着きましたら、剣を購入しなくてはいけませんわ」
「どうしたの?」
「ゴーレムとの戦いで、剣に亀裂が……恐らく、後一回でも何かを斬れば、砕けてしまいそうですわ」
「え……じゃあ、これ貸しとくよ」
俺はノーマルソードを取り出し、レティシアに渡した。
「蓮斗さん、有り難う御座います! 家宝に致しますわ!」
「いや、貸しただけ……だから返してね?」
「わ、分かりましたわ……」
うわ、返す気が無いな……これ。
「あれ? クリスは大丈夫?」
「儂は魔法剣じゃから大丈夫じゃ。HPも高いしの。儂の心配をするとは、良い心懸けじゃの」
「そりゃ、心配だよ……」
「そ、そうかの……」
あら……照れてる?
その日は早めに就寝し、朝を迎える事になる。
「お早う御座います、蓮斗さん」
「おはよー、レティシア、クリス」
「おはようじゃ」
昨日の雨は何処へ行ったのか、今日は晴天に恵まれた。
さて……日課だ。
〔日課特典:転移の腕輪〕
〔転移の腕輪を獲得しました〕
ん? 昨日の首飾りと、同じ様な名前だな。
これ……鑑定とかしたら、能力が分かるのかな?
〔鑑定に成功しました〕
〔転移者の首飾り:使用者と転移者の位置を交換する:一日一回〕
〔転移の腕輪:行った事の有る集落へ転移する:一日一回〕
腕輪、これは使える! 首飾りは……使用者が転移者と、だから……俺が使うと意味が無い? クリスも転移者だから……俺とクリスの位置を交換出来る? よく分からん。
少なくとも、レティシアに渡すと面倒臭い事になるな……後でクリスに渡そう。
軽く朝食を摂り、出発する……またパンだけどね。
午前中一杯歩いただろうか、お腹が空いてきた……あ!
「街が見えましたわ!」
「やっと着いた! まるで城みたいだ」
街の筈だが……高い壁で覆われており、一見、城壁の様だった。
「高い壁だな……」
「街が大きいだけあって、外敵の対策がしっかりしてますわね」
「レティシアは来た事は無いの?」
「私も初めてですわ」
街の門まで行き、身分証を提示して難なく通過。
街に入ると……凄い賑やかだ! 都会に来たって感じだなー。
「先ずはギルド会館に向かおうか」
「そうですわね」
俺達は、ギルド会館を目指した。
ま、まさか、クリスはメシマズ……。
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