第145話 2本目を植えてみた

 目覚めは爽快だった。

 ユリシーズとの夢の中のお茶タイムは中々爽やかな気分になれる。

 ただ体が熱く滾っていた。

 隣というか俺を枕にして寝ているソニアを起こさないようにしてリリアの部屋に行き、しばらく仲良くしたが、まだ滾っているのでがむしゃらに走った。

 皆が起き出す時間に屋敷に戻って軽くシャワーをしていたりした。


 そう言えばユリシーズが別れ際に何かを投げてきたが、収納を確かめると確かにしっかりとそれが入っていた。

 出して見たが、見た感じはあの場に有ったティーパックだ。

 茶を飲めというのかな?と思いリリアに渡して夢にあった事と、その場に有ったお茶に使っていたのと同じ茶葉だと説明すると、目の色が変わって今すぐ飲みたいと珍しくおねだりをするので、皆でこの茶を飲もうとなった。


 リリアの様子がおかしいのでエミリーに話すとエミリーがリリアの元に行き、話していた。しかし、エミリーの様子もおかしくなった。



 何の事はない、美容効果が半端ないのだ。一口飲めば一週間はお肌がつるつるのもちもちになる美容効果があると言うので、目の色が変わったのだ。他にも滋養強壮と、男性限定で精力増強にもなると。どうりで起きたら気分が良かったのと滾っていたのだと理解した。


 皆でお茶タイムの後、種を植える事にした。

 ユリシーズの指示に従い屋敷の敷地の南端に植えた。これはある意味普通の果樹で魔力を投じても成長に変化がないので、時間がかかりそうだった。


 そうそう、先のお茶は1パックじゃなく1箱で貰ったんだけど、暫く内緒かな。俺も凄い事になっていたし。


 そしてダンジョンに繰り出すのだが、皆でユリシーズに手を合わせ言ってきますをし、挨拶代わりに軽く触れて少しだけ魔力を分け与えてから出発だ。俺は帰宅時に大きく魔力を与える事としている。


 ダンジョンは問題なく進んでおり、帰宅後世界樹に俺の魔力を増やして分け与えても問題なく、世界樹も毎日直径10cm程度太くなっている。ユリシーズは2,3日に一度夢に現れるが、段々と成長し、幼女から美少女に変わっていた。

 間に休憩日を入れて49階層を突破し帰宅した頃には、世界樹も直径2m,樹高20mを超えていた。既に俺の屋敷の周りは観光スポットとなっており、世界樹だとバレていた。

 世界樹の葉の盗難が相次いで、俺は夜通しで警護をする者を急遽雇う羽目になった。

 因みに世界樹の葉は世界樹の許可がないとむしってもその場で枯れて崩れ落ちてしまう。のと、いくらむしられても平気とユリシーズは言っていた。枝も同じで許可がないとやはり枯れて崩れ去るので無駄足だったりした。そしていよいよ未踏破のボス部屋を翌日に挑む事となったのである!



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