第144話 夢枕

 俺は魔力の枯渇もあり、早々に寝てしまった。

 この夜もやはり夢に来訪者があった。今回はテーブルがあり、ティーセットまであった。


 顕れた精霊?の様子が少し違う気がする。ちょっと大きくなったような気がするのだ。


 精霊「こんばんわお父様。無事戻ってこられて嬉しく思います。今回は一度で戻れましたね!」


 良くわからない事を言う。とりあえず茶を飲み交わしながら話をする。何故か俺の膝の上に座る。俺もなんとなく頭を撫でている。


 聡太「きのうはありがとうな。助かったよ。あの警告がなければ俺は死んでいたかもだったよ。お陰でかすり傷程度で済んだよ!」


 精霊「お役に立てて嬉しく思います。私にお名前を付けて頂き有難う御座います。大変素晴らしいお名前を頂きました。たいへん嬉しく思います。それと私からの贈り物は届きましたでしょうか?」


 聡太「名前はユリシーズで良いのかな?気に入らなければ別のを考えるから教えてな。それとあの柄は素晴らしいの一言だよ。大事に使わせてもらうよ。君の体を削って、命を削っているのでは無いのかい?大丈夫なのか?」


 ユリシーズ「はい。ユリシーズというお名前をはとても気に入りました。これからはユリシーズとお呼び下さい。多少体にダメージが有りますが、お父様から頂いている魔力を使わせて頂いておりますので翌日には回復しているので大丈夫です。やはりお父様はお優しい方なのですね。こんな私の心配などをして頂けるなんて。お父様に拾って頂き幸せです。それよりも毎日あの量の魔力を頂いていますが大丈夫なのですか!?」


 聡太「!?うん!?魔力って言ったって大した魔力じゃないぞ。全魔力の1%にも満たない量だぞ。」


 ユリシーズ「ええええ!そんな、人で有りながらあの魔力でそれだけの割合でしかないのですか!?世界樹史上最大の魔力を私は頂いておるのですよ。普通はあの量ですと宮廷魔道士が10人以上全力を振り絞ってやっと出せる量ですよ。一体お父様はどういう方なのですか??」


 聡太「へーそうなんだ。俺はというか、俺の仲間の半分は異世界からの召喚者で、俺が覇者の勇者らしいんだ。それと俺は覇者の特典か何かで追加能力を得る手段を得ていて、俺は幸運にもそれを把握しているそんな存在なんだ。魔力はもっと欲しければ追加できるぞ!明日は今の5倍位の量で様子を見ようか?ユリシーズが耐えられるのかの方が心配だけどね」


 ユリシーズ「良いのですか!?頂けると嬉しいし、私も早く大人になれます。こんな子供の姿じゃなく、大人になった姿をお父様にお見せしたいです。そうですね、余剰の魔力は魔力を貯蔵できますからご心配なく。本当にオーバーする分は勿体無いですが、空気中に拡散すれば安全に魔力を放出できます」


 聡太「了解。ところで世界樹には性別があるのかい!?今ユリシーズの格好はどちらとも捉えることができるんだよねえ。それとあの葉はどうすれば良いのかな!?あと、ダンジョンで入手した種って何かわかるかい?」


 ユリシーズ「世界樹には性別がないのですが、世界樹の精には性別があります。私は女ですよ。夕方見せて頂いた種は今は失われたある果樹の種ですが、安全ですよ。日光を好みますので、私から離れた南側に植えてやって下さい。何が実るのかは内緒ですが、楽しみにしても良いと思いますよ。それと私はお父様と言っていますが、聡太様と呼ばせて頂きますね。そうそう、あの葉は欠損修復の効果があります。数日に一枚は問題なく提供できると思いますので、提供でき次第またお渡ししますね。葉を煎じたりそのまま体に当てて魔力を込めるだけですよ!あっ!そろそろここにいる時間が無くなってきました。急で申し訳ないですがお暇せざるを得ませんお休みなさい!」


 聡太「そうか時間か。また明日な!お休みなさい!」


 そうして唐突に別れた。


 俺はその後とても落ち着いて眠りを続行できたのであった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る