第143話 40階層ボス戦

 今朝も皆で世界樹に行ってきますを言い、ボス戦に出掛けた。


 そう言えばあの世界樹に名前を付けたものかとふと思う。


 聡太「なあリリア、あの世界樹に名前って必要かな?」


 リリア「どちらでも良いですけど、昔里に有った世界樹には名前が有ったそうよ」


 聡太「どうしようかな。ユリシーズってのはどうかな?」


 リリア「あの、名前の由来は?」


 聡太「向こうの神話にある名前かな?あまり詳しくないけど、名前だけは聞いた事があるんだよ。あと、夢に精が出てきて、警告と柄を貰ったんだよな。そういうことは良くあるのかな?」


 リリア「聞いた事が無いけど、名前は話してみたら良いと思うわよ。また精が出て来て良いか嫌か伝えてくると思うの。里の世界樹は以前の変異で焼かれたと聞くので、株分けを訪ねて頂けるとありがたいかな?ねえ、頼んでも良い?」


 頼んでみる話をしていたら、ダンジョンに着いた。


 聡太「先のボス戦と戦術はほぼ同じだけど、少し変えるよ。俺達の前に障壁を展開するよ」


 皆首を傾げるが、良く分かっていないまま、どういう事か感ずかれるとやっかいなので、いそいそとボス戦に挑む。


 扉を開けて中に入り、入り口付近に皆は待機だ。


 部屋の中央付近にボスの顕現が始まり、皆の前にホールで開けた板状の穴の残土で壁を作り、俺だけ壁の内側にいて、そこからは前回と同じ穴を展開した。顕現と同時に赤いドラゴンの頭上に保持した土の落下を開始する。


 ドラゴンはほんの一瞬の間でブレスを吐き出した。次に俺の下に深さ2mの穴を開け、おれ自身が落下し、なんとか着地した。横倒しにした土で蓋をし、ブレスをやり過ごした。ブレスが土の壁に当たったとほぼ同時に熱気が伝わり、ドスンという音と凄まじい振動に襲われて、決着した。

 俺は皆の方に斜めに穴をあけ、穴から脱出して合流し、壁に穴を開けてボスのいたと思う場所に穴を開けてドロップがある筈の土を出した直後に眩暈がし、やはり意識を失った。


 俺は誰かの膝枕で目覚めた。


 意識がはっきりすると美菜が膝枕をしていて、三時間位気絶していたと言う。


 皆で土を壊し終わっていて、ドロップは回収済みだった。魔石とトレジャーボックスだ。


 トレジャーボックスはまだ開けておらず、俺が目覚めるのを待っていたようだ。


 辺りは凄惨な状況だ。部屋がボロボロで床は単なる荒れ地だ。


 トレジャーボックスの中にはパーティーメンバー全員のデザイナーズシューズだ。防御力は勿論、特殊効果付きだ。1日三回限定で、3秒間思い描いた仮想の足場を伝って跳べる事だ。逃げるにしろ戦うにしろかなり有利になる。不思議と誰のかは迷わなかった。


 他に種があった。世界樹とは違うが、なんとなく果樹のような気がした。

 これも良い物と判断出来た。


 そして引き上げ、屋敷に帰り世界樹と話をした。


 話をと言っても一方的に話しかけている。

 幹が30cm位になり、樹高は4m位だ。

 俺は幹に抱きついて警告の謝辞と名前を伝えた。


 すると一枚の葉が落ちてきて、俺の頭に乗ったのであった。全体が少し揺れたので、嬉しがっていると思うのと、種子を見せてから魔力を与え、その後屋敷に入ったのであった。

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