第141話 植えてみた

 今日は31階層を攻略するが、 その前にダンジョンでゲットした不明な種を植える事にした。

 鑑定系を持っている者で鑑定するも、結局何の種かは分からなかった。

 ただなんとなくだが、神聖な種だと感じられていた。


 植える場所はメインの庭木を植えようとしていた所に決めた。


 ホールで穴を掘り、そこに種を入れ、埋めていく。土を馴染ませる程度に水を掛けた。しかし、その場を引き上げ始めた時に違和感があり、振り向くと何故か芽が出ているのが見えた。あれ?と思い見ていると段々大きくなり、そのうに双葉がはっきりと神々しく広がり、大きくなりつつあると感じた。


 聡太「みんな大変だ!もう芽吹いたぞ!」


 律子「何バカな事言っているの。今植えたのに芽吹くって何これ?ちょっとオーラが出てない!?」


 皆も戻り見ている。

 リリアがワナワナと震えだした。


 リリア「な、なんて事!まさかあの種は世界樹の種なの?これで里に顔を出せるわ」


 聡太「これが何か分かるのか?」


 リリア「種の時は分からなかったけど、まだ小さいとは言え、これは喪われた世界樹で間違いないの。大きくなったら、株分けをして、エルフの里に分けてあげたいの。最初に触れた魔力を糧に初期は育つ筈よ。さっき聡太がホールを使ったから、その魔力を吸ったのね。だから聡太が世界樹の主人なのよ。魔力を毎日少しずつ与えると良く育つ筈よ」


 そう言われるとそんな気がしてきた。場所は建物から50m程離れているが、シンボルツリーが多分とんでもない事になりそうだ。


 俺は魔力を少し苗に与えると生き生きと嬉しそうにしている気がした。


 聡太「お前って世界樹なのか。宜しくな!この街を守る位に立派になってくれると嬉しいな!」


 そうしていると20cm位にまで一気に成長していったのだった。


 聡太「また来るからね。今日はダンジョンに行ってくるよ!良い木にしてるんだぞ」


 そんなふうに声を掛けて出掛けた。


 31階層は特にこれといって特徴がなく、拍子抜けした。時折トラップがあり、隠し方は巧妙になってきている。


 それでも出てくる魔物も特に違和感がない。やはりこのダンジョンの現状は、ボス部屋に強敵を持ってくるのに特化ししているようだ。


 本来のこのダンジョンの難易度を示している気がする。

 そうして、15時過ぎには31階層の攻略を終えて屋敷に戻った。


 またもや皆で世界樹を見に行くと既に1m位に成長していた。


 聡太「あ、あの、リリア?世界樹ってこんなに成長って早いのか?」


 リリア「ソニア位の時に聞いた話なんで、あまり覚えていないですが、1年で3m位、10年で幹の太さが10m位と教えられました。しかし、あまりに早いと思いますよ」


 俺はただいまをいう。すると木が少し震えたような気がした。


 俺はまだ細い幼木の幹に触れたのだが、その瞬間少し光った気がした。

 そして魔力を少し分け与える。

 後から検証したが、俺が少しと思っていたのは、小学校のプールの水を沸騰させる事が可能な位の膨大な魔力だたらしい。その為成長が、とても早かったのだとかなり後に感じたのだが、今はただこの木が新たな家族になったのだと思う感じだった。


 そうして成長速度に驚きつつも屋敷の中に入っていくのであった。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る