第125話 引いた

 まず玄関の扉を開けると、玄関ホールの広さと、そこから見える階段の広さに驚いた。


 1階には大きなホールがあり、舞踏会が出来そうな感じで、玄関近くに応接室がある。また、多分使用人の待機部屋、食堂と厨房、地下への階段がある。右手が不自然に短く、扉があり、その先に風呂場があった。大きいのと小さいのがある。迷って行けない作りだ。一番奥に洗濯室があり、そこから裏に出れて、テラスルームのような洗濯物を干す場所があった。


 2階は居室が沢山あり、部屋の配置は屋敷の左右対称のようだ。一番奥に寝室、居室、執務室で、中央に巨大な居間がある。また、書棚が沢山ある部屋も有った。流石に書籍はは無かったが。

 3階は居間の上部分で、中央にフリーの部屋、その他は小さなと言っても作り付けのタンス等の部分を除き6畳はある。ベッドと小さな机が備えられていて、俺の日本の部屋より広いが、2階の居室よりは遥かに小さい。住み込みの使用人用の部屋なのだろう。

 トイレは各階にあった。

 そういうわけで目下全員ドン引きだ。

 そう、あまりに広く、豪華なのだ。俺迷子にならずに住むかな?と


 聡太「あ、あのここ本当に頂いても良いのですか?余りに豪華過ぎて怖いくらいです。あとで請求書が来たり、エイプリルフールとかドッキリカメラとか無いですよね!?」


 案内人「勇者様どうか落ち着いてください。陛下より間違いなくここだと言われ、渡された鍵もこの屋敷のですから大丈夫ですよ。えいなんとかや、びっくら何とかは良く分かりませんが、ここにサインを頂ければ引き渡し完了ですよ。文字が読める方いらっしゃいますか?陛下よりの譲渡証明書になります。ご確認下さい」


 そうして俺の名前で署名した。

 どうやら俺の持ち物になるらしい。元々変異とか終わって平和になったら流石にビグザやフレディも自分の屋敷を持つとなった。その為サイラーにて売ってもらう物の収益の半分を二人の屋敷購入資金にし、残りはこの屋敷の運用資金だ。


 色々注意や何やら言われたが、早速部屋決めだ。2階の居室は12畳位ある感じで、中央にベッド、机と作り付けの収納がウォークインクローゼットになっていて2畳くらいある。扉を開けると小さい玄関のようになっていてもう一枚扉がある。いきなり開けて着替え中でしたとかを回避するためだろうか。サイラーによると普通はこういう扉がないのだがと言う。まあ貰い物だ!


 俺の部屋は決まっていた。階段を登って右か左かだが、コイントスで決めた。左だった。

 居室の他に執務室があるのが使い方は屋敷の主としての格を見せなきゃなので、ダンジョンのドロップ品やゲットした美術品で上品なのを飾れば良いと。

 パーティーのリーダーである俺が屋敷の主でもある。

 通常来客は応接で行い、よほど気に入ったとか重要な人じゃない限り、執務室には人を入れない。逆を言えば、執務室に入ってもらう来客はそれだけ重要な相手となる。


 左手の居室は俺の妻、婚約者がくじ引きで決めるとなった。別にどこでもいいような気がするが。解放奴隷の中にメイドと執事の経験者と、男爵の屋敷で執務していた者もいて、その中から執事長とメイド長を決めた。皆残留したいという。

 料理人もいたので、厨房を任せる事にした。執事長とメイド長、料理長があれよあれよと決まり、3階の部屋は一応相応の場所があるというので、メイド長と執事長に任せた。


 そして皆で地下室を見に行った。基本倉庫なのだが、半分はそうだった。

 もう半分は絶句した。牢屋だったからだ。

 それはともかく、家具は何とか作り付けので行けるが、バスタオルなどはそうは行かない。

 そこで服を買いに行くのとバスタオル、タオル類、寝間着が皆なかった。

 布団はとりあえず今のシーズンで使ええるのが各部屋に備えてあった。また、カーテンも大丈夫だ。

 まあこの辺りは運用を任せる者に託せば良い。俺は倉庫に魔石を大量に置いておいた。

 取り敢えず、一部のメンバーを留守番に残し、買い物に出かけるのであった。

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