第122話 答え合わせ

 皆に見えるように二人は交換した回答を見た。


 俺はリリアに読んで貰った。


 国王

 勇者


 と書いてあると。皆驚いていた。


 そして国王も紙を持ってピルプル震えている。


 国王「は、覇者の勇者ですって!?それに見事に私が国王と見抜いておいですね。どちらの国から来たのですか?我が国は勇者召喚は行っていませんよ」


 聡太「クラーク王国ですよ」


 国王がたいそう反応していた。


 国王「あの国に勇者召喚を行う権利等あるはずがないのになんて事だ!」


 拳を握りしめて 温厚そうなこの男には似合いそうにない怒気孕んで怒りをあらわにしていた。


 聡太「俺達はクラークで召喚されて、俺達以外の者は 傀儡とされています。おそらく精神系の魔法をかけられたか何かで操られてるんだと思います。そして俺は取得してるギフトの関係で 最弱認定されたようで、殺され掛けました。所が向こうのデイビットと言う奴を返り討ちにして・・・」


 等と話し始めた。


 ここまで来る状況を一通り話し、可能であれば力を付け、変異とやらに対処した後にクラークに残してきた操られているクラスの者を救いたい!そういう想いも何故かこの男の前ではスラスラ話す事ができた。不思議な魅力のある男である。

 別段顔がイケメンというわけでもなく、女性にモテる容赦でもない。恐らくない 身のこなしも魔法を得意とする感じで、剣を得意とするような者ではない。

 なので筋肉質でそちらの需要があるわけでもないのだが、この男には何もかも話しても良いという、そういう気にさせる不思議な魅力が感じられた。

 その為聡太は伏せておこうと思っていた事までペラペラと喋ってしまっていたのだ。

 そんな聡太の必死の話しをギルドマスターと国王は真剣に聞いていてくれていた。どれくらい時間がたっただろうか、次に奴隷の話になった。

 一般奴隷に関しては 快く解放を認めてくれた。 但し犯罪奴隷については開放は行わないという事になったが、そのまま聡太の奴隷として所有を認められた。また犯罪の首謀者であったこの男爵に関してはというと、今後調査をするが財産没収、奴隷は聡太がそのまま引き継ぐようにと言われた。形式的には国が没収し、盗賊討伐の功績として褒美として没収した奴隷を与えられた形になる。

 またこの男爵の親である領主の方も調査を行い、不正がないかを確認する。不正が、有った場合は速やかに処理をするというような事となった。


 基本的に国王は聡太達の味方をしてくれると言う。

 所詮は口約束な筈なのだが 、まずこの男の言う事が真実だとつよく感じられる。

 そしてクラークにて半年程度で変異がある事自体はどうやら事実らしい。

 但しどこで発生するかというのが発生してみないと分からないらしい。

 ただ半年以内に、この大陸のどこかで発生する事がほぼ間違いないという。それは過去からの文書の調査結果で分かっていると。

 そして まもなく各国の国王が集まり、そしてどこの国が何人の勇者を担当するかを決める手筈になっていた と。クラーク王国は周りの国を裏切って自国の事のみを考えて全部の勇者を召喚したようだ。

 これは許されざる行為だと言う。


 そのため聡太の行動に対して全面的に協力してくれる運びとなった。

 そしてこの国での市民権を速やかに与えてくれると言う。


 壮太は知らなかったが覇者の勇者というのはそれは大陸の中では英雄の中の英雄となるらしい。


 そうして聡太の持っているスキルについてもやはり全て喋ってしまった。 奴隷マスターについてのギフトは話さざるを得ないという事はあったが、聡太の持っているレベルが上がる事によるスキルポイント。これによりレベルが上がるとギフトをさらに習得できる。これが覇者の能力だというような事も話すつもりがなかったのに話してしまった。

 ただこの男の 不思議な魅力に誰も文句を言わない。

 話すのが当たり前だというようなそういう雰囲気ですらあった。


 そうして話していると そろそろ食事の時間という時間帯になった為、今日は 国王と一緒に食事をする事になってしまった。

 奴隷は一旦城で預かるとの事だった。

 そして話の途中なので一旦メイドに食事の準備をするように国王話をし、その後また、報告を再開して行った。


 そうして暫く報告や話をした後メイドが食事の準備かできた旨お知らせに来て、食事をしに場所を変えた。


 食事の席はざっくばらんとした内々だけのものとしてくれた。

 当然食事のマナーのない者も我々の中にはいるが、そういった事を気にする必要のない配慮をしてくれていてなんともありがたい話である。

 俺の横には ミーコとミーナなだ。ギルドマスターは国王の隣だ。

 だからといって安心できるわけではないのだが、俺の心配は 特にフレディーだ。 あいつが行儀良く食べられる訳がない。 しかしそこはゆきりんが見事にフォローをしていた。

 俺も人の事は言えなかったが。


 そして 食事の後に宿に向かうのであった。


 今日は犯罪奴隷は城で預かって貰う事になったのだが、それは聞こえが良いが実際は尋問の為に預けたのであった。


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