第121話 城へ

 聡太「どうしてこうなった」


 定番のいつものボヤキだ。

 幼女じゃなくギルドマスターを肩車して城の中を歩いている。異常な状況である筈がすれ違うメイドさんは恭しくお辞儀をする。


 何故こうなったか少し混乱しているが、それは城に着いた時に遡る。


 俺は特に何も疑問思わずギルドマスターについて行っていて、城の門番の所に着いたのだが


 ギルドマスター「ちーっす。イグニス王に会いに来たぴょん」


 俺は焦った!普通は良くて門前払い、悪いと不審者として捕らえられるが、素通りだ。ただ、人数を数え


 門番「帰る時には全員でお願いします。もし城預りの者が出たりした場合、証明を貰って来て下さいね」


 そうしてあっさり通されて城内に。

 ほんのちょっと目を離すと、ギルドマスターはそこにいなかった。あれ?と思うと肩に何かがのしかかり、俺の頭は何かに隠された。即その布が捲られ、視界が確保できた。頭に何か温かい物と顔には御み脚があった。そう、肩車になった。


 ギルドマスター「それじゃあお馬さんに2号!レッツゴー」


 不思議と俺は歩みを進めた。


 そして今に至る。


 暫くすると丁度部屋から一人の冴えない二枚目の身なりの良い男が出てきた。歳は30歳前後で170cm位の痩せ型だ。

 その男を見るなりギルドマスターがその男の顔に飛びついた。

 そしてそのほとんど膨らみの無い胸を顔にグリグリと押し付けて、顎を頭に乗せ


 ギルドマスター「おひさー」


 と間抜けな挨拶をする。男が苦しみ出したので今度は顔中にチューをしまくっていた。最後はぶちゅーーーとキスだ。


 男「やーリーリン久し振りですね。貴女が大勢を連れてくるなんて珍しいですね。まあ立ち話もなんですから、皆さんこちらへどうぞ」


 そうして案内されテーブルに座る。勿論奴隷は後で立っている。

 何故か当たり前のようにリーリンが俺の膝の上に座る。まだ俺以外は立っている。


 男「おやおや。また貴方はリーリンにえらく気に入られましたね。只者ではありませんね?私以外では初めて見ますよ。皆さんも座って下さい。まああちらの方は暫く我慢ですね」


 そうしていると定番のモナが


 モナ「あのーギルドマスターとは仲が良いのですか?」


 男「おやおや?リーリンは何も言っていないのですか。うーんそうですね、昔に私と彼女は冒険者としてパーティーを組んでいたんだ。まあお互い立場が昔と違うけど、私達の関係は今も昔も変わりないですね。彼女の可愛らしさも変わらないですよ。これでも彼女は元S級の冒険者として活躍をしていたのですよ」


 モナ「へー私と同じS級なんですね!」


 男「ほう?すると君が王城街の門番が慌てて伝えに来たと言う剣聖かな?S級冒険者が城に表敬訪問しに来たのではないのでしょう?どうされましたか?」



 リーリン「勿論ぴょん。聞いたら驚くぴょん!そして求婚するぴょん!そしてら結婚するぴょん!」


 男「リーリンの事は好きだよ。でも駄目だって言っているでしょ。周りからも私達の種族通しでは子を成せないから不孝な結末を迎えると言われているでしょう?まあ昔だったらそれでも良かったけどね」


 モナ「そう言えば、私達って何しにここへ来たのでしたっけ?」


 リーリン「勿論国王との面談の為ぴょん」


 モデル「じゃあこの方が取り次いでくれるのですか?」


 聡太「うーん。モナはこちらの方が国王陛下に取り付いてくれると思うんだね。ブブー違います!他にこの方がどういう方かわかる人!?」


 ミーナ「流石に今日は面談の申込みで、取り次いでくれる方ですか?」


 聡太「残念。リーナは?」


 リーナ「それを私に聞く!?分かる訳無いでしょ!。はあ、そうね、気の良い摂政さんかしら?」


 聡太「はあ、他にいないか?」


 皆さんも首を横に振る


 男「ほう!そう言う貴方は分かるのかい?」


 聡太「まあ、見当はついています。これでもこの一団のリーダーですから。逆に貴方は私達が何者可分かるのですか?」


 男「難しい質問だね。一応分かったかつもりだよ。言おうか?」


 聡太「いや、それじゃあ面白くないので、紙に書きましょう!お互いの素性と、相手の予測を書いて伏せて一斉に見せ合うというのは?」


 男「ほう!面白そうだね。じゃあこれね」


 そうして紙を受け取り、リリアに声を出さないようにお願いして記入し伏せた。

 俺とこの男が紙を交換し捲り確認するのであった。


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