第111話 状況整理

 状況を整理した。

 まず倒した盗賊だが街道で34人、アジトで21人とかなりの人数だ。


 我々の被害だが死亡したのはサイラーが雇った護衛6人のパーティー全員だけだ。

 奇襲とはいえあの護衛はあっさり死にすぎる。確かに見事な奇襲ではあったと思う。

 俺は俺達だけを集めて話し合った。今どうするかについてだ。

 つまり死亡した者をどうするか。


 聡太「皆の意見を聞きたい。死んだ奴をどうするかだ」


 リーナ「どうするって何よ?死体を持ち帰るかここで埋葬するかという事?」


 ビグザ「いや違うだろう。その問題だとしたらトニーの収納に入れて街まで連れて行きギルドに引き渡せば済む。そうじゃなくて生き返らすか、生き返らせずに能力を隠すかという事だろう」


 聡太「うんそうなんだ」


 リーナ「そんなの力があるのだから生き返らすに決まってるでしょ!聞くまでもないわよ!それよりあの女達の事を気にしてあげたら?」


 聡太「蘇生が出来ると分かればたかるられる恐れがあるんだ」


 サーヤ「そんなのまずはサイラーを脅して蘇生能力を秘密にさせて、もし周りにバレて騷ぎになったら殺すって言うの。死んだ者は気絶していたって言えば良いんじゃないの」


 聡太「こらこら。流石に脅すのは駄目だぞ。だけど気絶ってのはいいね。ふむふむ。じゃあサイラーに能力を伝えて、他人にバレると厄介だから秘密にしてねって頼んでくるよ。他に意見はないかな?」


 ユリア「あのね、トニーが助けた女性たちをどうするの?ずっと犯されて酷い扱いを受けていたのでしょ?男性恐怖症になっていない?それと妊娠は?」


 聡太「うん。かなり酷い扱いだったから女性陣に世話をお願いするしかないんだ。俺にだけは恐らく助けた当人という事で怖がりはしないと思うが、俺にしろ誰か女性陣と一緒じゃなきゃ怖がると思うんだ。それと組み合わせを女性陣のみの馬車を作り変更しそちらに乗せようと思うんだ。世話をお願いしても良いかな?それと妊娠は大丈夫だよ。生活魔法を掛けておいたから。緊急避妊薬のような使い方がある魔法があるんだよ。既に掛けておいた。世間から性活魔法と揶揄されていて、実際それで喰っている者も居るし、宮廷お抱えもあるらしいな」


 そうして女性陣で世話をし近くの街に送り届ける事と、何があったか聞き出して貰う事にした。死者回復はリーナの力がは隠して俺が持っているとする。こんな感じで決まりサイラーに説明する。


 サイラーに説明すると物凄く驚かれ、墓まで秘密を持っていくと誓ってくれた。

 襲われた理由を聞くと誰か運の悪い引きの強い奴がいるとしか思えないと。恐らく偶然の遭遇戦と思っていて、盗賊団のアジトが近いので、たまたまアジトに戻っている最中の者達と遭遇し、そして襲われたと。


 俺もそんな気がしてきた。襲撃組は荷馬車を持っていてお宝を満載していたからだ。


 その後俺とみミーナで死者蘇生を行った。魔力の関係でミーナが2人、俺は4人を蘇生した。蘇生は死亡してからの時間により成功率が違う。24時間位迄は99パーセントだが、そこから一気に下がる。遺体のダメージが大きくなるからだ。48時間で2パーセント程度の成功率だ。


 サイラーと盗賊団の物の分配を話したがいらないと。護衛が初撃で死亡し、盗賊は俺達が倒したのと俺達がいなかったら死んでいたから受け取れないというのだ。その代わり今出して貰っている宿代は俺が払うと言う事で決着した。


 生き返らせた冒険者は訳が分からず混乱していた。

 サイラーに押し付けて出発の準備をする。

 荷馬車は収納に入れて、繋がれていた2頭の馬はサイラーの馬車の馬が2頭殺されたので変わりの馬とした。


 救った女性達の様子がおかしかったがまあ無理もないと思っていた。ミーコ達に託し馬車に押し込んでいた。仕切りに俺を見てお辞儀をするのだ。


 そうして街に着き今日の宿をサイラーに任せ、俺とモナでギルドに盗賊の討伐報告と換金、首領の死体の引き渡しだ。

 かなり遠い街を拠点としていた筈だと驚いていた。有名な盗賊団で被害も多かったらしい。最近街の周辺で急激に襲われる者が増えていたようだ。


 明日朝金額が出るというので、引き上げるのであった。

 この街のギルドの作りは大小の違いがある程度で殆ど俺の見知った他のギルドの作りと一緒だった。

 この街のギルドもS級以上には優遇措置があった。モナは役に立ち過ぎる。


 宿の場所が分からないだろうとサイラーの護衛を宿が決まってからギルドに俺達を迎えに寄越してくれていて迷わず宿に着いたのであった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る