第110話 引きが強いのは?

 翌日の食事は早い時間だった。ミーコはまだ違和感が有るが普通に戦えると言うので、御者当番に加える。

 昼間では順調だった。


 昼休憩中にそれは起こった。

 大量の矢が突如として俺達に向かってきたのだ。俺達は咄嗟に対処出来た。だがしかし、サイラーの連れて来た護衛の冒険者は矢を受け全員死亡した。


 俺達の怪我はというと飛んできた矢がソニアの頭に当たる直前で、俺が自らの掌で矢を受けソニアの額にかすり傷を付ける程度で済んだ。かんつうしたから泣きたい位の痛さだ。


 サイラーは腕に矢を喰らうもリリアが対処したお陰で無事だ。俺は気配を探る。辛うじて潜んでいる奴の気配を感じるので辺り一面に強いウォーターカッターを出しまくる。

 すると悲鳴と怒声が交じりその後木々の間から武装した奴らが突っ込んできた。


 モナとミーコが対処し、何とか抑えている。俺は更に奥の方に気配を感じ、そこにウォーターカッターを飛ばしまくった。


 一人異質な奴がモナの首を狙い剣を振りかざす。直前で俺がアイスボールを剣に当てて軌道を変えた為、薄皮一枚で済んだ。


 気配を消していたのだ!モナが乱戦で対処できないのがこの手のタイプだ。

 しかし面と向き合えば実力を発揮する。ミーコにモナの背後を守らせる事にした。


 俺がいるのとは反対はフレディが体を張り、ユキリンがテキパキと指揮をする!

 ミーナとリーナもそっちに行かせた。


 程なくモナも相手を倒し制圧した。

 俺はリリアのみを伴い捉えた奴を拷問しアジトへ向かう。他のメンバーはリーナが治療し死体を集めて貰う。アジトは直ぐ近くだった。

 そいつが仲魔に助けを求め叫び出し、アジトの砦?おそらく放棄された砦跡からゾロゾロと出てきた。


 俺は叫んだ奴の首を刎ね、砦に向かい駆け出す。

 ウォーターカッターを出しまくりどんどん倒す。リリアには俺の背後を守って貰う。

 その為に連れてきた。リリアの腕前はモナの剣には負けるが乱戦にめっぽうい強い。

 一人で山に入って色々な物を採取したり、魔物を討伐していたので気配を感じたりするのは得意だ。それともエルフだからだろうか?


 しかし俺の魔法の効かない奴がいた。

 正確にはそいつが持っている斧だ。それで俺の魔法を切り裂いているのだ。

 いかにも蛮族ですという粗暴な奴で、どうも盗賊団の頭のようだ。

 そいつは俺と切り結ぼうとするが俺は相手をする振りをするが斬り結ばない。バカ正直に強者と打ち合うのはモナの仕事であって俺はそうじゃない。穴掘り最強を唱え、そして実行する。


 そいつの首より下が埋まるよう深さ140cm位の穴を開けると見事に嵌まる。体をしこたま打ち付けたようでぐあああああと悲鳴を上げていた。

 俺はその頭に蹴りを入れ兜を飛ばす。


 聡太「言い残す事はあるか?」


 盗賊「や、やめろ!なんでもする、なんでも言う事を聞くから命だけは助けてくれ!」


 俺は「そうやって命乞いしてきた者を助けた事はあるのか!?自ら犯した罪を悔いて死ね」


 そう言い俺は剣を盗賊の頭の脳天に叩き込み決着した。そいつのカードと死体を収納し、そしてもう生きている盗賊の気配のないアジトに入る。


 戦利品を収納していく。しかしいつもと違う事があった。そこには地下があり生き物の気配がするのだ。

 警戒しつつ地下に入ると泣き声がする。牢屋が有り若い裸の女が3人いる。

 暴力を受け散々陵辱をされているようだ。血と精液の匂いが入り混じっている。可哀想に。俺の姿を見て震え、失禁もしている。俺は冷静にリリアを呼んだ。彼女達を出してやってと一言言う。

 3人はリリアの姿を見て安堵したようだ。


 適当に着れそうな服を持ってきて後ろを向かせて並ばせた。

 リリアが俺が癒やし手と伝えていて、辛そうな者から順にヒールとクリーンを唱え、傷を治し綺麗にする。リリアにお願いして服を着させてあげた。

 3人に服を着させた後にもう一度砦の中を確認し完全に空っぽにした。


 助けた女性は20歳〜30歳位の綺麗な女だ。綺麗だから監禁され犯され続けたのだろう。

 恐らく男を怖がるだろうと思いリリアに世話をお願いした。


 そうして皆の所に戻るのであった。



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