第103話 逃避行4日目お尻が痛いぞ

 昨夜は夜の見張りから俺を含む男集とモナを外した。基本的に移動中は休めないからだ。

 幸い夜も何事もなく朝を迎えた。


 今朝の食事はソニアが俺の膝の上から離れない。両脇にミーナとミーコだ。

 どうも女子で俺の隣に座る当番をローテーションに掛けているようだ。

 ソニアは皆に懐いてきつつあるが俺にしか心を開けない。何かあるとすぐ俺の背中にぴたっとくっつく。

 というよりなぜ俺だけなのか?と思うのだが、やはりはダンジョンから開放したのが俺だからだろうかと思案する。

 今日は馬車の中でミーナに面倒を見てもらうように言うと素直に従う。宿ではベッタリなのだ。しかし我儘を言うべきじゃない所を弁えていて手間が掛からないのだがその、夜が困りました!リリアとエミリィも夜に悲しんでいます。夜にね。

 ミーナと寝なさいと言いリリアとキスをして服を脱がせようと思う矢先にベッドに忍び込んできて泣き出し、仲良しどころじゃなくなったのだ。


 また、記憶が戻ったのでミーナ達とは今までの関係に戻っている。色々な事が複雑に絡み合っているが、記憶が戻ってからはリリアとエミリィと既に結婚してしまった事による申し訳ない気持ちで一杯だった。

 いくら記憶を失くしている間とはいえ、婚約しているのに他の女性を娶ったんだ。

 幸い彼女達は仲が良い。リリアもエミリィもミーナ達を受け入れている。


 ミーナ達が俺にが突き付けてきた条件は2つ。ミーナを含めた妻達を分け隔てなく愛するようにと。夜の相手は複数を一緒は嫌だと。例え短い短い時間であってもその時だけは2人だけの時間にしたい。その為の不便は大丈夫だという。今リリアとエミリィがしているようにして欲しいという事だった。

 俺は頷くしかなくやはり申し訳ないと思う。そういう考えを含め気が合うようだ。


 その時が来れば順番を教えると、俺に選択権はなかった。これも誰かを贔屓にしたり偏らない為の事だと


 本来俺は一夫多妻に向かないのだろう。あまりに女性を愛し過ぎる。

 もう少しプレイボーイ的にそれなりに遊んでいたりする性質だとハーレムうはうはなのだろうが、既にどうやって上手く折り合いを付けるかで一杯だった。


 ミーナが言うにはそんな俺だから愛するのだと。女心はよく分かりません。

 でも向けられた好意には全力で応えたいと思う。


 そんな事を考えていると昼食の時間だ。街道から少し外れてテーブルを出し食事を出しでまるでピクニックだ。

 馬にやる水も生活魔法でなんとでもなるし、とにかく通常より歩みが早かった。

 俺達は慣れない馬の制御できつかった。特にお尻が悲鳴を上げている。俺もちょっとだけ食べて眠いからと馬車の中で横にならせて貰う。モナは慣れているのか少し体を動かす位で平気だった。

 モナが心配して様子を見に来てくれた。


 聡太「モナか。みっともない所を見せたね。愛想尽きたろう。俺のところじゃなく他の男の所に嫁いでもいいんだぞ。まだ生娘なんだからさ」


 モナ「いえそんな事無いですわ。さすがお師匠様です。私なんか最初の旅は1時間で音を上げて馬と一緒に歩いてたのに、弱音一つ吐く事なく、眠いからちょっと寝かせてって嘘までついて体が辛い事を伏せているのですね。やはりモナはそんな優しいお師匠様に娶られたいのです。下を脱いで下着になって下さい。少しマッサージをすれば多少マシになりますよ」


 そう言うや否や俺の返事を待たず俺のズボンを剥ぎ取りお尻から腰にかけてを解したり足を捻ったり体重を掛けて体に押し付けたり歪みを補正しているようで、有り難い事に大分楽になった。俺は必死に呻くのを我慢していた。


 モナ「もうちょっと寝ててくださいね。片付けは収納するだけまでにしておきますから」


 そう言って出ようとするので後ろからぎゅっと抱きしめた。そして唖然としているモナにキスをし


 聡太「ちゃんと言っていなかったね。いつも助かっているよ。好きだよ。愛しているんだ。俺の妻になって欲しい」


 そう言うと涙を流していた。ちょっと落ち着いてから本当に寝てと言われ出ていったが、俺はうとうとしていた。そんな睡眠も出発時間が来たようでソニアのフライングボディーアタック一発で目が覚め出発を再開した。多分俺の為に30分は長く休憩したと思う。


 それがこの先効いてくるのだが。

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