第56話 修羅場をどうぞ!
二人の女性がおもむろに俺の頭を掴み装着しているヘルムを外した。
そして背の高い方の女性が
女性4「聡太あなたよ!なんで私達を見ても何も言わないのよ!」
女性5「ちょっと!穴吹、今まで何やってたの!?ちゃんと説明しなさいよ!それと夫ってどういう事よ!?」
俺オロオロしている。見るからに狼狽えているはずだ。
そういえばこの二人はスマホの写真で見たなと思いだした。
そう、今は正に修羅場の始まりである!そこにもう一人加わる。もう二人の女性は男の方に行って腕を組んで何やらニヤニヤしながら俺達をじっと見て、如何にも昼ドラを見ている感じで我関せずを決め込んでいるようだ。
女性2「君穴吹さんよね?先生にちゃんと話をしなさい。私達が一体どれだけ穴吹さんの事に心を痛めていたと思うの!?ダンジョンを無理に進んだのも貴方を探す手掛かりになるアイテムや魔法を手に入れたい一心からなのよ!。でも良かった!生きていてくれてううう」
そしてこの3人に抱きつかれてしまった。先程治療している時にこの子やっぱり美菜って子だよなと確信していた。顔も体つきも写真と同一人物にしか見えなかったからだ。
美菜「ちょっとみっちゃん煩いよ!全くもう!」
起き抜けの一言で3人が駆け寄り
女性4「良かった美奈が起きた!」
美奈「大袈裟ね!あれ?そこの女性達は?」
女性5「ちょっと美奈、落ち着いて聞くのよ!というかまどろっこしいな。ちょっと良いっていうまで目を瞑っていなさいよ!」
美奈「えっ!?リッちゃんどうしたの?良く分からないけど目を瞑ったよ」
律子「それじゃあ貴女を治療した人を紹介するよ。くれぐれもまだ開けちゃあ駄目よ」
俺はなすがままに従っている。リリアとエミリーは俺の後ろで服をちょこんと摘んでいる。恐らく何が起こったか理解したのだろう。成り行きを見守っている。
律子「それじゃあ開けても良いよ」
俺の目の前に美奈という女性を連れてきていた。大体の展開は読める。恐らく彼女と付き合っていたのだろう
美奈「xyxz!」俺の顔を見て目を点にして2人を見ている。
律子「本物よ」
やはり泣きながらだきついてきて胸をポカポカ叩き出す
美奈「聡太のバカ!一体何をしていたのよ!生きているなら私達の所に何で来てくれないのよ!ずっと死んじゃったんじゃないかって心細かったのよ!城ではろくに説明してくれないし、高山君と田邉が聡太と時を同じくして魔物に殺されたって!そして聡太の護衛も死んでたのよ!3人の遺体を見たわ。聡太とこの3人は戦闘中に崖が崩れて、3人は地面に落下し即死、聡太は川に転落して流されて死んだって聞かされてたの。捜索隊を出したけど遺体は見つからず、魔物に喰われただろうって言われてたのよ!ううううう」
俺は黙って抱きしめるしかなく落ち着いたのか先生を名乗る女性が更に状況をかき混ぜてくれた
先生「穴吹君色々説明しなさいね!それとこの二人の夫というのはどういう事!?」
美奈「えっ!?どういう事!?私とりっちゃんとさーやを娶ってくれるって言ってたでしょ!?もし地球に帰れないと判断した場合みっちゃんも娶るはずよね!?ちゃんと説明しなさいよ!」
俺の狼狽ぶりに見兼ねたリリアが説明しだしたのだった。修羅場が更にむごくなりそうだった。
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