第55話 瀕死だった
ボス部屋を出て階段を降りる。
通路前には6畳程の空間があり、セーフゾーンだ。それは魔物がリポップしないからだ。ただし、誰かが連れてくれば別だ。逃げるにしろ追い込むにしろ。
全部で5人が寝かされている一人の女性を囲んでいた。
聡太「この腕は彼女のか?」
皆が頷く。
聡太「お前ら実力以上の階層に来たようだな。治してやるから今日は帰るんだ。今の実力でこの先へ進むなら確実に死ぬぞ。もう少し修行をするんだ。リリア、エミリー、彼女を押さえていてくれ」
女性「あ、あの、腕が切断されて、唯一のヒーラが彼女で、気絶しているから転移出来なくて、今仲間が助けを呼びに街に向かっているんです」
聡太「無駄だな。それで呼ばれるとしたら多分俺だよ。しかも他にいたとしてもここまで来れるヒーラなんてまずいないし、この子1日持たないぞ」
リリア「トニー、このひとってあの写真の方じゃないですか?」
聡太「確かに似ているな。だが、もう二人が居ないな」
エミリー「あのね、トニーそろそろ治してあげたら?それとクリーンを忘れないでね」
聡太「そうだったな。クリーン!よし腕をくっつけるぞ。しかし、ヒーラがやられるなんて運がないのか、護衛をしなかったのか分からないが、俺が偶々いて良かったな。今度からはヒーラは戦わさず守るんだ」
女性「はい。治療をお願いします。どうか彼女を助けてあげてください」
俺がヒールを唱えると腕がくっついた。5人が唖然としていたがおれは語気を強め
聡太「男は向こうを見てろ!君は彼らが覗かないように見張りだ。君と君は彼女を裸にしろ」
女性「なんで裸にする必要があるのですか?」
エミリー「トニーのヒールは傷を直接見ないと使えないのです。治癒力はおそらくこの国でも1、2位の実力かと思いますが、制約があっての事なのです。どうか指示に従ってください」
女性「ごめんね。彼以外の男性の前だけど治療の為だから肌を晒すね」
俺は気を失っている彼女の体をさっと確認し、肋骨が折れているのを発見してヒールを掛ける。
すると先程まで苦しそうだったのが呼吸も穏やかになり、女性陣で服を着せる。
間もなく転移で女性が二人入ってきて開口一番に
女性4「ゆきりん、駄目だった。ヒーラーが今日ダンジョンに籠もっているって。ちくしょー」
女性5「あれ?なんで美菜の腕が生えてるの!?それとこちらの方達は?」
リリア「この街の冒険者でパーティージゴロのリリアです。そしてこちらが受付嬢を兼任しているエミリー、そして私達二人の夫であり、パーティーリーダーのトニーです」
トニー「肋骨も折れていたから治しておいた。格上に挑戦するのは良いが、ヒーラーは守れよ。それと無謀とチャレンジは別物だからな」
後から来た女性二人が震えて涙を流している。
リリア「お仲間が治って良かったですわね。この方ももう少しすると意識を取り戻すと思いますよ」
トニー「所でこんな判断ミスをする君らのリーダは誰だ!?一言いっちゃる!」
そうすると後から現れたら女性二人が俺のヘルムを強引に外して叫んだのだった!
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