第11話 午後の訓練

 午後の訓練が始まった。ギフトを色々試す場だ。

 俺は友達の中でまだ女を抱いていない連中がいないかそれとなく声を掛けた。


 そんな中、2人程この状況を訝しがるや者がいた。


聡太「なあ友樹おかしいと思わないか?」


友樹「ああ変だな。博とかもう神官の女にメロメロで見ちゃいられないな」


聡太「お前も抱いたのか?」


友樹「いや、抱きたかったが話がうま過ぎてな。お前の方には来ないわな」


聡太「そりゃそうだろ。一応言っとくが、今妊娠したら命に関わるから今はまだ手を出していないからな。他にもまだまともな奴がいるのか?傀儡になり下がっていない奴だよ」


友樹「ふーん、今はね!そうだな、まともなのは俺の知る限り大輔だけだぞ」


聡太「俺の側に大輔を連れて来い!このままだと操り人形にされて殺されるぞ」


友樹「ちょっと大袈裟じゃないか?」


聡太「よく考えろ。あいつらが女を抱いた時に薬を盛られてたり、精神支配系の魔法を既に受けている筈だぞ。恐らく抱く事で発動するのだろう!様子が尋常じゃないのが分かるだろう?」


友樹「そ、そうだな、確かに異常だよな?やばいのか?なあ、俺はどうすりゃいい?」


聡太「大輔共々、今日は体調が悪いとかなんとか言って女共の誘いを断り、夜に俺の部屋に来るんだ。仲間を集めておく」


友樹「他にも居るのか?」


聡太「先生達だよ。流石に羽目は外さなかったようだぞ。ただ放っておくといずれ毒牙に掛かるだろうし、彼女達は今のままじゃ生き残れないからな」


友樹「分かった大輔も不安がっているから必ず連れて行くよ。あとな、お前を攻撃した田邉には気をつけろよ。度胸があるか分からないがお前を殺すって息巻いているからな」


 そうやって仲間を探すが、他には探し出せなかった。


 そうして訓練が終わり、明日の早朝に集合し、訓練を兼ねていよいよ実戦になるから気を引き締めるるようにとの一言で解散となった。


 そして夕食と風呂が終わり俺の部屋に皆が集まった。


 友樹は170cm位でテニス部の部長をしていおり俺と同じ筋肉組だ。典型的な脳筋男だが、計算は早く即決力がある。ただアホなだけだ。ちょっとナルシストの気配がある。

 こいつが神官にほいほいくっついていかなかったのは、時折俺に雪乃さんって超好みなんだよな!って言ってたから本気で口説こうとして、神官の相手をしなかったのか?


 大輔は160cm位の小柄な痩せ型のひょろっとしたひょうきんなやつだ。こいつは頭脳組でクラスのと言うか学校のトップ10に常にいる!

 そうそう、こいつはいIQは高いが馬鹿なやつなんだよな。まあ憎めないけど。

 如何せんバスの中で優子さんを困らせた犯人がこいつだ。そして優子さんを本気で好きなようで神官の誘いに目もくれなかったらしい。



 美菜、律子、沙友理、ゆきりん、みっちゃん先生、優子さん、大輔、友樹、俺を含め9人になった。全体の二割にしかならず、それ以外は既にやられているという事だ。


 俺のクラスの女子どんだけ股が緩いんだよ!まあ、男子はなあ。危機管理が無かったのかなあ。とつい声を出して呟いていたようで


沙友理「ごめんね聡太。聡太が皆の事をちゃんと考えて悩んでいるのに、力になれなくて」


美菜「聡太が気に病む事はないのよ!貴方のお陰で私も含め8人も無事なのよ。救えなかった者の事じゃなく、救った者の事を考えるのよ!」


律子「あんなビッチ共くたばれば良いのよ。不潔ね」


みっちゃん「まあまあ、その辺にしましょうね。確かに穴吹君の言う通りね。何人かに今後の事を話し合いたいから、今夜集まってと声を掛けたのだけど、xxちゃんと今夜はエッチする約束をしているんだから無理だよとかxx様に今日も抱いて頂きに行くから無理なのと言うのばかりで、とても正気じゃないわよ」


美菜「うん、私が声を掛けた子も大体一緒ね」


聡太「一応言っておくけど、俺の方針はこの9人のみ生き残るのに必要な事を考え実行する。生きて脱出できたとしてだが、可能な限り力を付け、この国のトップを倒す。そして出来るだけ多くを助ける。まずは情報を収集し、可能な限り早くこの国を脱出しよう。悪いけど、俺は愛する者を守る為ならば同じクラスの連中でも、敵対して来る奴は男だろうが女だろうが情け容赦なく殺す」


 等と話し転移前に恐らく自らがスキルを選んでいる事、誰かが死んだと言われても信じず、死体を見るまでは生きている事とした行動をする旨を伝えた。


聡太「俺は、現状で一番弱い部類に入る。でも、大器晩成でチート能力が有るので、序盤を乗り切れば最強になる筈なんだ。それと大輔、友樹、雪乃さん、優子さん、悪いけど皆を欺く為に一時的で良いので恋人の振りをして!勿論本気で付き合うのも有りだけど。みっちゃんは俺の恋人の一人ね。4人は話し合う等をしてね!」


大輔「俺は良いけど優子さん達は良いのか?」


聡太「問題ない。既に話しをしていて同意しているよ。恋人がいないと怪しまれて失敗するし、恋人がいれば下手に異性をぶつけては来ないさ。下手な事をすれば俺達の反感を買う事を向こうも分かっている筈だ。それと今日の事は他言無用でな。最後に俺自身に対しての戒めでもあるけど、今妊娠したらほぼ間違いなく生き残れないから、本気で愛していても少なく共、生活が安定するまで全員自重して欲しい」


 俺は全員の顔を真剣な目で見て行き、俺がふざけて言っていない事を理解し頷くのを待った。


 そして諸々を話していったが、結局言い出しっぺの俺がリーダーとなり、美菜が副リーダーとなった。皆自分の事が精一杯で、他人の事を考える余裕なんて無いのが普通の事だった。

 部屋を出る時には、雪乃さんが友樹と、優子さんが大輔と腕を組んでいたのには驚いた。恋人の振りで良いと言ったのだが。ふと考えると、結局二人共不安で、頼れる人を求めていたんだなと言うのが今頃分かったのであった。友樹が一度デートの誘いをしていて、誘いは嬉しいけど実習生と生徒がそういった事をするのはまずいよと言われたと先週言ってたな。満更じゃなかったのかな?友樹も大輔もイケメンではないが二枚目な普通の男子だ。俺も友樹もクラブのエースで、髪型もスポーツ刈りの爽やか系だ。


 そして各自の部屋に戻り、明日に備えて休むのであった。

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