第5話 悪がいない!(4)

 ジャパンが出した結論。


「魔王がいないならおれが魔王になればいいじゃなーい」


 そのままだと芸がないと思い、ちょっとだけ盛って大魔王としてみた。

 以前の魔王を千里眼能力で知ることができるとはいえ、同じようにするつもりもなかった。


「おれはおれの大魔王をやってみるぜ!」


 魔王っぽいイメージの虐殺はやらなかった。

 世の中をかき乱したいジャパンではあるが、好きこのみはある。


 ジャパンが手を加えたのは主に経済である。

 前の世界でお菓子屋をやっていたので、需要と供給くらいは知っているし、どうすればお金が動くか直感でわかっていた。


 人間と魔族で食べ物が違うものは問題が出ないだろう。

 問題を起こすなら人間と魔族で食べ物が同じもの。

 その食糧を急激に減らした。


 生き死にの問題に発展し、世の中は大混乱に陥ったのだった。

 ここからのち、大魔王ジャパンの名は知れ渡っていくことになる。

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