白いワンピースなアノ子

2回目は3年生の冬だったっけ?


その時は授業中でとても静かだった


まぁ、授業はつまらないので窓から外の景色を見ていた


で、反対側の廊下が気になったんでチラッと見見てみた


あの女の子と目が合った


廊下側は良くある作りで、壁の真ん中はガラス窓で廊下まで見通せる奴なんだけど、その子は廊下で膝立ちをしてるかの様に窓枠から顔半分出してこっちを覗いていた


やっぱり黒髪でやけに真っ白な子だった


授業中に何で抜け出してるんだ?


僕は真っ先に思ったけど、女の子が気になってすぐに見返した


その時にはもう女の子は見えなくなっていた


まぁ、この時も四つん這いでどっかに逃げたんだろう、見つかったら先生に怒られるもんな~

程度にしか考えず、深く考える事はしなかった


でもやっぱりその日に白いワンピースの女の子の登校は確認できなかった


3回目は小4の春、この子を見たのはその時が最後だった


その時は掃除の時間


僕は教室のベランダの掃除当番で、3部屋繋がった教室のベランダを端からホウキで掃く係になり、一番端から掃き始めた時だった


すぐ目の前の教室からナニかが飛び出してきて、ベランダを走っていった


白いワンピースの黒髪の女の子だった


僕は今度こそ捕まえて注意しようと追いかけた


3部屋繋がっているとはいえ、距離的には30メートルくらいかな


すごい早さで端の窓から教室に入ったのが見えたので、僕もすぐに入って中を見渡した


が、白いワンピースを着た子なんて見当たらない


掃除中なのもあって生徒が結構居たから聞いてみた


「今、僕の前に入ってきた女の子は何処に行った?」と


すると、みんな一様に「誰も入って来てないよ?」と答えた


ベランダの掃除をしていた奴にも聞いた


すると、「君が勝手に走り出した」と呆れながら答えた


当然白いワンピースの女の子についてもみんな分からないそうだ


ここまで来てようやく理解したよ

あの子は存在しない子なんだと・・・


でも何故僕の前に現れたのだろう?


何故3回に渡って姿を現せたのだろう?


何か意味があったのだろか?


それ以来あの子を見ることは無くなった


そして僕は新たな生活を迎える事になり、また不思議な体験もする事になるんだがそれはまた別の機会にw

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